交通事故の慰謝料相場額や計算方法を事故のケースごとに紹介

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故によってケガを負った被害者は慰謝料を請求することが可能です。
慰謝料には複数の種類があり、計算方法もそれぞれ異なるので、慰謝料の相場額は被害者が負ったケガの内容や被害者の立場によって変わってくるでしょう。

本記事では、交通事故の被害者が請求できる慰謝料の相場額や計算方法について、被害者が負ったケガの内容や被害者の立場ごとに紹介しています。

ケガの内容や立場に該当するページを確認すれば、相場の慰謝料額や計算方法を知ることが可能なため、是非ご確認ください。

入通院した場合の慰謝料相場額

入通院1日あたりの慰謝料相場額

交通事故によって生じたケガを治療するために入院や通院を行った場合には、入通院慰謝料の請求が可能となります。

入通院慰謝料とは、ケガを治療するために入院や通院したことで生じる精神的苦痛を金銭化したものです。
入通院慰謝料の金額は入院や通院の期間で決まります。

加害者の加入する任意保険会社からは1日あたり約4300円として計算された入通院慰謝料の支払いを提案されることが多いのですが、この金額は相場額よりも低額です。

相場額は加害者側の提案額よりも高額なため、被害者側で計算した相場額の支払いを求めましょう。

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通院〇ヶ月ごとの慰謝料相場額

通院期間が長ければ長いほど入通院慰謝料の相場額も増額します。

もっとも、ただ漫然と通院しているだけでは相場額の慰謝料を得ることができない恐れがあるのです。
通院期間としてカウントされるのは、治療のために必要な通院であることが条件となります。

治療のために必要な通院であるかどうかの判断は、専門家である医師が行うため、通院は医師の指示に従った期間や頻度で行いましょう。

また、通院期間が6ヶ月を超えてくると、被害者に後遺症が残る可能性が高くなります。
後遺症が残った場合には慰謝料が大幅に増額する可能性があるので、後遺症が残りそうかどうか医師に確認しておくべきでしょう。

後遺症が残った場合の慰謝料相場額

後遺障害慰謝料相場額の計算方法がわかる

被害者のケガが完治する前に、これ以上は治療の効果が望めないという症状固定の段階になったと医師が判断した場合には、被害者に後遺症が残ることになります。

そして、後遺症の症状が後遺障害に該当すると認定されれば、後遺障害の症状により発生する精神的苦痛を金銭化した後遺障害慰謝料の請求が可能となるのです。

後遺障害が生じていることを明らかにするために、後遺障害等級認定の申請が必要となります。

後遺障害慰謝料の相場額は、障害の程度に応じて認定される等級により異なるので、適切な後遺障害等級の認定を受ける必要があるのです。

また、後遺障害等級の認定を受けると、後遺障害により以前のように仕事ができなくなったため、本来得られるべき将来の収入が得られなくなったという不利益を逸失利益として請求することも可能となります。

後遺障害慰謝料や逸失利益は高額になることも珍しくないので、後遺症が残った方は請求手続きをしっかりと確認すべきです。

交通事故の後遺障害慰謝料・逸失利益の金額相場|十分な金額を獲得する方法も解説

ヘルニアになった場合の後遺障害慰謝料相場額

ヘルニアによって生じる後遺障害とは、腰痛や手足のしびれといった神経系統の痛みになります。

神経系統の症状は客観的にわかりずらいため、後遺障害の症状が発生していることを証明することは容易ではありません。

事故直後の画像検査や、神経学的検査による検査結果をもとに後遺障害に該当する症状が発生していることを証明しましょう。

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高次脳機能障害になった場合の後遺障害慰謝料相場額

高次脳機能障害によって生じる後遺障害は記憶力、集中力の低下や、攻撃的な性格になってしまうなどさまざまなものがあり、日常生活に大きな支障が生じることも珍しくありません。

そのため、高い等級が認定されることもあり、請求できる後遺障害慰謝料の金額が高額になることがあります。

適切な等級の認定を受けることができないと、請求できる慰謝料の金額が大幅に減額するおそれもあるので、どのような書類を集める必要があるのかについて、事故が起きてからなるべく早い段階で知っておく必要があるのです。

高次脳機能障害の等級認定|認定基準をわかりやすく解説!等級獲得のポイントも

バイク事故における後遺障害慰謝料相場額

バイクの運転手は自動車と違い体が外に露出しているため、交通事故によって大きな後遺障害が残るケガを負う可能性が高いといえます。

特に、頭部や内臓機能に後遺障害が生じると、介護が必要となるケースもあるのです。

そのため、後遺障害慰謝料が高額になることも多いので、適切な手続きや資料の収集が求められるでしょう。

また、被害者にも過失がある場合の過失割合について、計算方法が自動車の場合とは異なってくるため、過失割合に注意する必要があります。

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死亡事故における慰謝料相場額

死亡慰謝料相場額の計算方法がわかる

被害者が交通事故のケガが原因で死亡した場合は、死亡したことによって生じる精神的苦痛に対して死亡慰謝料の請求が可能となります。

死亡慰謝料の相場額は被害者の家庭における立場により異なりますが、おおよそ2000万円から2800万円前後の金額となるでしょう。

実際に請求することになるのは被害者の相続人となった遺族となるので、誰に、いくらの割合で相続がなされるのかを知っておく必要があります。

また、被害者自身とは別に、被害者の近親者も固有の慰謝料を請求することが可能です。

近親者の範囲は広く解釈されることがあるため、誰がいくら請求できるのかについて確認しましょう。

交通事故の慰謝料|死亡事故の慰謝料相場は?相続・分配はどうなる?

子どもが死亡した場合の慰謝料相場額

被害者が子どもの場合には、成人した人が死亡した場合に比べると慰謝料相場額が低額になることが多いでしょう。

もっとも、近親者である両親が固有に請求できる慰謝料は大きくなる傾向にあり、兄弟や祖父母にも慰謝料請求権が認めるという裁判例もあります。

そのため、誰にいくらの慰謝料請求権が認められているのかをしっかりと確認したうえで請求を行いましょう。

また、働いていない子どもであっても将来働いて収入を得るはずであったため、逸失利益の請求が可能となります。
働けるはずであった期間が長期間になるため、逸失利益の金額も高額になりやすいので、計算方法を把握すべきでしょう。

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老人・高齢者が死亡した場合の慰謝料相場額

被害者が老人や高齢者である場合には、人生を謳歌してきた期間が長いという理由から死亡慰謝料の金額を減額するという判断がなされる場合があります。

もっとも、老人や高齢者に該当するかどうかが不明確であり、該当するのであれば必ず減額するという法律の規定はありません。

そのため、加害者側が老人や高齢者であることを理由に死亡慰謝料を減額するように主張しても、ただ漫然と認めるべきではないでしょう。

どのような根拠にもとづくのかということや、前例があるのかどうかという点についてしっかりと議論すべきです。

また、老人や高齢者は年齢的に働けない、働いていたとしても働ける期間が短いということから、逸失利益の金額が問題となることが多いため、どのような問題点があるのかを知っておきましょう。

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ケガの内容や立場ごとの慰謝料相場額

軽症の場合における慰謝料相場額

打撲、挫傷、むちうちなどの軽症と呼ばれるケガであっても、慰謝料の請求を行うことが可能です。

慰謝料の相場額は、軽症と呼べない程度であるケガのケースよりも低額になりますが、慰謝料以外にも請求できる損害を合わせれば、常に低額であるとは限りません。

そのため、慰謝料の計算方法や相場額を知っておかなければ何十万円も損してしまう可能性もあるので、軽症であってもしっかりと治療を受けて慰謝料の請求を行いましょう。

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むちうち症が生じた場合の慰謝料相場額

むちうち症はその多くが3ヶ月程度で完治しますが、症状が重い場合には後遺障害が生じるため、慰謝料の総額が100万円を超えるケースがあります。

しかし、むちうち症は神経症状のため後遺障害が発生していることが外観からは不明確であることから、後遺障害の発生を認めてもらうことが容易ではありません。
加害者も、簡単には高額な慰謝料の支払いを認めないことが多いでしょう。

むちうち症であっても高額な慰謝料の請求ができる可能性があることを前提に、請求のために必要な知識をしっかりと確認したうえで加害者との交渉を行いましょう。

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打撲であった場合の慰謝料相場額

打撲は基本的に軽症であり、1ヶ月程度で完治することが多いため、慰謝料の金額も低額になることが多いでしょう。

加害者側も1ヶ月程度経過するとケガが完治したとして慰謝料額を計算し、慰謝料支払いの交渉を始めようとしてきます。

しかし、打撲であっても長期間の治療が必要なケースがあり、ケガが完治する前に加害者側の交渉に応じてしまっては、適切な慰謝料を得られない恐れがあるのです。

そのため、打撲であってもしっかりと通院を行い、ケガが完治してから相場の慰謝料額を計算したうえで、請求を行いましょう。

慰謝料相場額が高額になる場合には、専門家である弁護士に依頼する必要が生じる可能性もあります。

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骨折した場合の慰謝料相場額

交通事故により骨折となった場合には、3~6ヶ月程度の入通院が必要となることが多く、事故前よりも骨折箇所が動かなくなったといった後遺障害が発生することもあります。

後遺障害の発生が認められれば請求できる金額も高額になりうることがあるので、どのような後遺障害が発生する可能性があるのか、相場額の計算はどのようにすべきなのかといった点についてしっかりと確認しておくべきでしょう。

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脳挫傷のケガを負った場合の慰謝料相場額

脳挫傷とは頭部を強打したために脳そのものに傷ができることをいいます。
そのため、後遺障害の症状の非常に重くなることがあり、ひどい場合にはいわゆる植物状態となってしまう危険性があるのです。

症状が重くなりやすい分、請求できる慰謝料の金額は大きくなることが多いので、適切な資料の収集が重要となるでしょう。

また、請求できる慰謝料や損害が高額となるなら、加害者側は少しでも金額を下げようと抵抗してくることが予想されます。

症状が重い場合には被害者自身で資料を収集することが困難となるので、相場の慰謝料や損害賠償金を得るために、家族や弁護士の協力を得るべきです。

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主婦がケガをした場合の慰謝料相場額

被害者が主婦であることにより、慰謝料額が減少するということはないため、相場額の請求が可能となります。

また、収入のない専業主婦であっても、ケガの治療をするために家事ができなかったことによる損害を休業損害として請求可能です。

後遺障害が生じた場合は、後遺障害の症状が原因で以前のように家事ができなくなったことで生じる不利益を逸失利益として請求することもできます。

請求内容によっては主夫であることが問題となる場合があるため、どのような請求が相場としていくらほど可能であるのかについて注意しましょう。

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子どもがケガをした場合の慰謝料相場額

被害者が子どもであっても、慰謝料の請求を行うことが可能です。

また、被害者が子どもであることから、ケガの治療が原因で学習が遅れてしまったことによる損害についても慰謝料とは別に請求できる可能性があります。
他にも、子どもだけでは通院することが困難であることを理由に、通院付添の費用を請求できる可能性が高いでしょう。

被害者に後遺障害が生じた場合には、後遺障害慰謝料だけでなく、後遺障害により将来仕事をすることで得られる収入が減少するとして、逸失利益の請求も認められます。

しかし、実際には収入のない子供の逸失利益を計算することは簡単ではなく、金額が高額になりやすいことからも問題となりやすいので、計算方法をしっかりと確認する必要があります。

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相場の慰謝料を得る方法を紹介

慰謝料計算機で相場額を知ろう

傷害事故ではケガが完治した、または、後遺障害等級の等級が確定した時点で慰謝料の金額を計算することが可能となります。
死亡事故の場合は、被害者が死亡した時点で計算可能となるでしょう。

慰謝料の相場額については、自動計算機を利用すると簡単に知ることができます。

入通院の期間、認定された後遺障害等級、被害者の年齢などの必要な情報を入力してください。

適切な示談交渉を行おう

交通事故は基本的に示談により解決するため、慰謝料の金額は示談交渉における当事者間の合意により決まります。

そのため、相場の慰謝料額を計算できたとしても、示談交渉に失敗すれば納得のいかない結果となってしまうでしょう。

相場の慰謝料を得るためには、適切な示談交渉を行うことが欠かせません。
相場の金額を計算するだけではなく、加害者側の主張に対してどのような反論を行う必要があるのかということを知っておきましょう。

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弁護士に依頼しよう

専門知識を有する弁護士に依頼すれば、正確な慰謝料相場額を算出したうえで、加害者側に対して請求を行ってくれます。

加害者側も、専門家からの根拠のある主張であるため相場に近い金額を支払うことを認めることが多いでしょう。

特に、相場額が大きいほど加害者側が支払うと主張する金額との差が大きくなる傾向があるので、慰謝料相場額が高額な場合は、弁護士に依頼することで大幅な増額が期待できます。

弁護士に依頼することで最終的な支払額が2倍以上になることもあるため、加害者側が相場の慰謝料の支払いを拒んでいるなら弁護士に依頼しましょう。

交通事故の慰謝料が弁護士介入で増額した事例|何倍の増額が見込める?

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監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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