交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
交通事故による怪我を治療するため8ヶ月も通院すれば、請求できる慰謝料の相場額も高額になってきます。
しかし、加害者も慰謝料の相場額が高額になるほど簡単には相場額の支払いを認めないので、被害者側で慰謝料の相場額や計算方法を知っておく必要があるのです。
本記事では、交通事故で8ヶ月間通院した場合における慰謝料の相場額や計算方法を解説しています。
また、より高額な慰謝料を得られるケースや、そのための方法についても紹介しているので、慰謝料の請求を検討している方は是非ご覧ください。
目次
交通事故で8ヶ月通院した場合の慰謝料相場額は、被害者が負った傷害の程度により異なり、重傷なら132万円、軽傷なら103万円となります。
軽傷とはむちうち症や軽い打撲、挫傷などをいい、それ以外の怪我は重傷としてください。
むちうち症とは、頚椎捻挫や外傷性頚部症候群と呼ばれる症状をいいます。
この慰謝料は、被害者が治療のために入院や通院したことに対する精神的苦痛を金銭に換算した入通院慰謝料のことであり、入院期間や通院期間に応じて金額が決まるのです。
重傷 | 軽傷 |
---|---|
132万円 | 103万円 |
上記した金額は、1ヶ月を30日として8ヶ月間ちょうど(240日間)通院したというケースになります。
しかし、実際の通院期間はもっと細かくなるので、さらに詳しい金額を算出するには相場額の計算方法を知っておく必要があるのです。
入通院慰謝料の相場額については、以下の計算基準表にもとづいて算出します。
むちうちや軽傷にとどまる場合には、以下の計算基準表によります。
1ヶ月を30日として、端数については日割りで計算してください。
例えば、重傷といえる怪我を負い、通院日数が260日(8ヶ月と20日)である場合の入通院慰謝料額は以下の通りです。
132万円:通院8ヶ月+(139万円:通院9か月-132万円)×20/30=約137万円
上記の計算基準表については、通称赤い本と呼ばれている民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準という書籍の別表に記載されています。
入通院慰謝料の相場額は、自動計算機を利用すれば手間をかけずに計算することが可能です。
通院日数や入院日数を入力してください。
交通事故における慰謝料の金額を計算する基準は一律ではなく、具体的には以下の3つになります。
自賠責基準
自賠責保険に対して慰謝料の支払いを請求した場合に、自賠責保険が支払う慰謝料の金額を算出するための計算基準
任意保険基準
加害者の加入する任意保険会社が支払うと提示する慰謝料の金額を算出するための任意保険会社独自の計算基準
裁判基準
裁判において慰謝料の金額を決める際に利用される計算基準
弁護士が請求を行う際にも利用されるため弁護士基準とも呼ばれる
3基準の内、裁判基準により算出される金額が相場額となります。
裁判により認められる金額こそ、本来得られるべき適正な金額といえるためです。
慰謝料の請求相手となるのは加害者ではなく、加害者の加入している自賠責保険会社や任意保険会社となることが多いので、自賠責基準や任意保険基準で算出された金額を支払うと主張してくるでしょう。
しかし、自賠責保険は交通事故被害者に最低限の補償を行うための自動車保険であるため、自賠責基準で算出される金額は相場額より低額になります。
そして、任意保険会社は基本的に自賠責保険で補償されない範囲まで補償してくれますが、少しでも補償する金額を下げたいと考えているのです。
そのため、任意保険基準で算出される金額は自賠責基準よりも高額になるが、相場額と比較すると低額になるでしょう。
したがって、加害者側は通常、相場額より低額な金額を支払うと主張するので、慰謝料増額の交渉が必要となります。
加害者が自賠責保険にしか加入していない場合や、加害者側の任意保険会社がなかなか慰謝料を支払わない場合には、加害者の加入している自賠責保険会社に慰謝料の請求を行うことになるでしょう。
自賠責基準にもとづく入通院慰謝料の金額は、以下の計算式により算出されます。
日額:4300円×入通院日数
入通院日数:実際に治療を行った日数を2倍にした数字と治療開始から終了までの日数の2つの内で少ない方を採用
※事故日が2020年3月31日以前の場合は日額4200円とする
2020年4月1日以降に発生した交通事故であり、治療を行った日数が140日、治療日数が240日(8ヶ月)の場合における入通院慰謝料額は以下の通りです。
治療を行った日数:140日×2=280
治療日数:240日(採用)
4300円×240=103万2000円
しかし、自賠責保険に対する請求金額には限度額が定められています。
入通院慰謝料は、以下の金額を含めて120万円までしか請求することができません。
通院期間が8ヶ月にもなれば入通院慰謝料以外の費用も全体的に高額になることが多いため、限度額に引っかかる可能性も高いでしょう。
加害者が任意保険に加入している場合には、任意保険会社から慰謝料の金額が提示されます。
任意保険基準が非公開であるため、提示額を事前に予想することはできませんが、おおよそ以下の計算基準表にもとづいて算出された金額になるでしょう。
そのため、通院期間が8ヶ月(240日)の場合には約76万9千円を支払うと提案することが予想されます。
通院期間が8ヶ月前後における入通院慰謝料額の違いは以下の通りです
通院期間が7ヶ月の場合
通院期間が8ヶ月の場合
通院期間が9ヶ月の場合
入通院慰謝料の請求を行う際の参考にしてください。
8ヶ月通院した場合の慰謝料について
入通院慰謝料は入院や通院期間にもとづいて相場額が決まりますが、ただ漫然と入通院治療を受け、慰謝料請求を行っただけでは相場の金額を得ることができない恐れがあります。
相場の慰謝料を得るために注意すべきポイントを解説しているので、現在治療を受けている、または、慰謝料の請求を検討している方は参考にしてください。
通院回数が少ないと、通院をしっかりと行わなかったために通院期間が延びたとして、通院期間が通院を行った日数を3~3.5倍にした期間と判断されることがあります。
このような判断がなされると、入通院慰謝料の金額が低下してしまう恐れがあるため、なるべく避けるべきでしょう。
通院期間が8ヶ月ともなると、途中で通院頻度が下がってしまうことがあるので注意が必要です。
そのため、継続して月に10日は通院するよう心がけてください。
もっとも、医師から通院の頻度について指示があった場合には、医師の指示に従いましょう。
加害者が任意保険に加入している場合には、加害者の加入している任意保険会社が治療費の支払いを立て替えてくれることがあります。
しかし、治療期間が長期に渡ると必要な治療期間が経過したとして、治療費の立て替えを打ち切ることがあるのです。
症状ごとの打ち切りの目安は以下の通りになります。
症状 | 打ち切り期間 |
---|---|
打撲 | 1ヶ月 |
むちうち症 | 3ヶ月 |
骨折 | 6ヶ月 |
通院期間が8ヶ月と長期に渡る場合には、途中で打ち切りとなる可能性が高いといえます。
治療費の立て替えが打ち切られると治療費を被害者本人が負担することになるので通院をやめようと考える人もいるでしょう。
しかし、痛みが残っているなら医師が治療終了と判断するまでは通院を続けてください。
必要な治療により生じた治療費は加害者に請求可能であり、必要な治療のために通院した期間にもとづいて入通院慰謝料の金額が決まります。
そして、治療の必要性を判断できるのは専門家である医師です。
そのため、医師が治療終了と判断するまで治療を行い、それまでの治療費や通院期間に応じた入通院慰謝料を加害者に請求しましょう。
通院方法について詳しく知りたい方は『交通事故による治療の通院はいつまで?通院慰謝料の相場額がわかる』の記事を確認してください。
交通事故において、被害者に過失が認められることは珍しくありません。
被害者に過失が認められると、被害者の過失割合に応じて慰謝料の金額を減額とする過失相殺が行われます。
交通事故における加害者と被害者の過失割合は基本的に当事者の話し合いにより決まるため、妥当な過失割合を主張する必要があるのです。
具体的な過失割合については、事故内容に応じて定められている基本的な過失割合に、過失割合が変動する事情を加えることで判断します。
基本的な過失割合や、過失割合が変動する事情については別冊判例タイムズ38号という書籍で確認することが可能です。
慰謝料とは、交通事故によって被害者に生じる精神的苦痛を金銭に換算したものです。
そのため、交通事故によって生じた費用や不利益については、慰謝料とは別個に請求することができます。
慰謝料以外に請求できる損害や不利益の内訳は以下の通りです。
項目ごとに損害額を計算し、合計額を請求することになります。
休業損害の計算については『交通事故の休業損害|職業別の計算方法や請求方法、いつもらえるかを解説』の記事を確認してください。
慰謝料請求に関する注意点
病院で治療を受けることで、すべての怪我が完治するわけではありません。
中には後遺症が残ったり、被害者が死亡してしまうケースがあるのです。
被害者に後遺症が残ったり死亡した事案において行うべきことや請求できる内容を説明しています。
請求できる金額が増加することが多いので、請求方法や金額をしっかりと確認してください。
被害者の怪我が完治する前に、これ以上は治療の効果が望めないという症状固定の状態になったと医師が診断した場合には、後遺症が残ることになります。
後遺症の症状が後遺障害に該当すると認定されれば、後遺障害の症状により発生する肉体的、精神的損害に対して後遺障害慰謝料を請求することが可能です。
また、後遺障害の症状により以前のように仕事ができなくなったため、被害者が将来得られたはずの収入が得られなくなったという不利益を逸失利益として請求することもできます。
後遺障害慰謝料の金額は、後遺障害認定の際に症状の程度から決められる等級に応じて異なり、相場の金額は以下の通りです。
等級 | 慰謝料額 |
---|---|
1級・要介護 | 2800万円 |
2級・要介護 | 2370万円 |
1級 | 2800万円 |
2級 | 2370万円 |
3級 | 1990万円 |
4級 | 1670万円 |
5級 | 1400万円 |
6級 | 1180万円 |
7級 | 1000万円 |
8級 | 830万円 |
9級 | 690万円 |
10級 | 550万円 |
11級 | 420万円 |
12級 | 290万円 |
13級 | 180万円 |
14級 | 110万円 |
最も低い等級が認定されるだけでも100万円程度の慰謝料が期待できます。
症状固定と認定されるまでに生じた入院や通院の期間に応じて入通院慰謝料の請求も同時に行うことが可能です。
逸失利益は、被害者の収入や後遺障害等級などから計算されます。
具体的な計算方法については『後遺障害逸失利益|計算方法と適正に獲得するコツをわかりやすく紹介』の記事を確認してください。
後遺障害であるという認定を受けるには、後遺障害等級認定の申請を行うことが必要となります。
そもそも、申請方法には加害者の加入している任意保険会社に申請書類の収集や提出を行ってもらう事前認定と、被害者自身が書類の収集や提出を行う被害者請求があります。
自分自身で準備を行わなくて済む事前認定の方が楽ではありますが、適切な書類を提出してくれる保証はないため、被害者請求による申請を行うべきです。
後遺障害等級認定は原則として書類審査となり、後遺障害の発生を客観的に証明できる他覚的所見を示した書類の提出が必要となるでしょう。
特に、以下のような書類が重要となります。
後遺障害診断書
治療を行った医師に作成してもらてください。
診断書の内容として治癒の可能性があるという旨の記載があると、後遺障害と認定されない恐れがあるので、気を付けてください。
画像検査の結果を示した書類
レントゲンやMRIなどの画像検査の結果がわかる書類になります。
客観性のある書類であるため、重要な他覚的所見となることが多いでしょう。
なるべく事故後に早期の段階で検査を行って下さい。
事故から時間が経過した時点での検査画像では、事故以外が原因で後遺障害の症状が生じたと判断される恐れがあるためです。
後遺障害の症状と一致する検査結果の発生を示した書類
主張したい症状と合致する検査結果の発生を示した書類になります。
ただし、傷病名、怪我の程度、治療内容などから一般的に予想される症状と検査結果が異なる場合には、事故以外が原因と判断される恐れがあることに注意してください。
特に、むちうち症は神経症状であるため症状の発生が客観的にわかりにくいので、画像検査の結果が重要となるでしょう。
必要な書類の準備ができたのであれば、加害者が加入している自賠責保険会社に対して提出してください。
交通事故の怪我が原因で被害者が死亡した場合には、死亡慰謝料の請求が可能となります。
死亡慰謝料の相場額は被害者の家庭における立場が考慮され、具体的な金額は以下の通りです。
被害者の立場 | 金額 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
母親・配偶者 | 2500万円 |
その他の場合 | 2000万円~2500万円 |
被害者の収入により家族の生計が成り立っていたといえる場合には一家の支柱に該当します。
被害者の相続人となった遺族が請求を行うことになるでしょう。
被害者が死亡する前に治療を行っていた場合には、入通院慰謝料も請求することができます。
しかし、後遺障害慰謝料の請求はできません。
3種類の慰謝料の両立関係
慰謝料以外にも葬儀代や逸失利益の請求も可能となります。
詳しくは『交通死亡事故の慰謝料相場と計算方法|遺族が請求できる損害賠償金』の記事で確認してください。
怪我が完治しない場合について
被害者は加害者に対して慰謝料や発生した損害を請求することになりますが、納得のいく相場の慰謝料や損害賠償金を獲得するには弁護士への依頼が必要になることが多いでしょう。
弁護士に依頼した場合のメリットを紹介しているので、弁護士への依頼を検討している方は是非確認してください。
交通事故で生じる慰謝料額や損害賠償金額については、その多くが示談交渉により決まります。
当事者間の話し合いにより費目ごとの金額を決定し、合計額の支払いを行うという内容の和解契約を行うのです。
加害者の多くが任意保険に加入しているので、示談交渉の相手方は加害者が加入している任意保険の担当者になるでしょう。
担当者は任意保険基準により算出された、相場額以下の金額を示談金として支払うという示談内容を提案してくるので、被害者側からの増額交渉が必要となります。
しかし、担当者は示談交渉の経験が豊富であり、示談金額を少しでも下げることが仕事であるため、法的知識のない人では希望する金額まで増額を行うことは非常に困難です。
一方、弁護士が増額交渉した場合には、相場に近い金額までの増額に成功する可能性が高くなります。
弁護士からの増額交渉に対応せず示談が不成立となると、裁判所に訴訟提起がなされ、裁判により解決することになるでしょう。
裁判では裁判基準にもとづいて金額が確定するので、相場に近い金額を支払うという内容の判決がなされる可能性が高いのです。
そのため、担当者としては裁判にならないために増額交渉に応じてくれるでしょう。
任意保険会社の多くは、弁護士からの増額交渉があった場合には示談金の支払基準を増額するよう設定しているとことが多いようです。
したがって、弁護士に依頼すれば示談交渉により相場の慰謝料を得る可能性が高まります。
弁護士に依頼すると、弁護士が交渉の窓口となってくれるので、加害者側からの連絡は弁護士に対して行われるようになります。
加害者側からの連絡がしつこいと非常にストレスとなり、思わず加害者側に有利な条件で示談してしまう恐れがあるので、なるべく避けるべきでしょう。
加害者側からの連絡を弁護士に対応してもらうことで精神的に楽になり、治療や仕事の復帰に専念することができます。
後遺障害等級の認定を受けることで請求できる後遺障害慰謝料や逸失利益は高額になることが多いので、正当な等級の認定を受けることが重要となるのです。
しかし、申請には法的、医学的知識が必要な場面があり、医師は治療の専門家であるため後遺障害等級認定の申請手続きに詳しいとは限りません。
そのため、正当な後遺障害等級認定を受けたいのであれば、専門知識を有する弁護士に手伝ってもらうべきです。
依頼するのであれば、後遺障害等級認定の申請手続きの経験がある弁護士に依頼しましょう。
経験があれば申請手続きについてしっかりと理解しているため、安心して依頼を行えます。
弁護士に依頼する場合には、弁護士に支払う費用がいくらになるのかという点が気なっている方が多いのではないでしょうか。
弁護士費用については弁護士費用特約を利用すれば、安く抑えることが可能です。
一般的に相談料は10万円、報酬は300万円を上限として保険会社が代わりに負担してくれるでしょう。
弁護士費用特約が適用されるケースであるなら、利用の上で弁護士に依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼するのであれば、交通事故事件の経験が豊富な弁護士に依頼しましょう。
過去に経験した事例から適切な対応を行ってくれるため、適切な慰謝料の支払いを得られる可能性が高くなるためです。
アトム法律事務所は交通事故事件の解決に力を入れているため、経験豊富な弁護士に依頼することができます。
後遺障害が生じている事件の経験もあるので、後遺症が残った被害者の方も安心して依頼が可能です。
無料の法律相談を行っているので、一度気軽にご相談の上、依頼するかどうかを判断できます。
法律相談の連絡は24時間、電話だけでなく、メールやLINEでも可能です。
弁護士に依頼するメリットについて
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了