交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
計算機の慰謝料は弁護士基準・過失0の場合を基準に計算しています。弁護士基準まで慰謝料を増額するためには弁護士に相談するのが最短・最適の方法です。
計算ソフト利用上の注意点
・主婦の方は、「年収」の欄で「301~400」(2020年発生の交通事故の場合)を選択してください。
・逸失利益は、失業中の方、大学生の方について計算の対象外としています。
・本計算機は、個別事情を考慮せず、一般的な計算方法に基づいて慰謝料等を計算しています。正確な慰謝料額を知りたい重傷の被害者やご家族の方は、当事務所の電話無料相談サービス(0120-434-911)をご利用ください。
誰かに慰謝料を請求することなんて、めったにないことです。突然の交通事故にあい、怪我の治療と補償の問題で頭がいっぱいではありませんか。
被害者お一人ずつ、お悩みや不安は違うものです。この記事では、交通事故の慰謝料について基本事項から増額のコツまでをまとめています。正しい慰謝料を受けとって、納得度の高い解決をむかえましょう。
また、相手方の任意保険会社から慰謝料額の提示を受けている場合は、冒頭で紹介した「慰謝料計算機」を活用してください。
簡単な情報入力だけで慰謝料が自動計算されるので、保険会社の提示額が妥当なのか、本来の相場がいくらなのかが、すぐにわかります。
目次
慰謝料は、交通事故で負った被害者の精神的苦痛に対して支払われます。
精神的苦痛を感じるのに、性別や年齢は関係がありません。そのため、例外(死亡慰謝料の金額)をのぞいて、交通事故の慰謝料算定方法は共通です。
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交通事故の慰謝料は3種類あり、被害者の損害に応じて、請求できる慰謝料が異なります。
3つの慰謝料
入通院慰謝料(傷害慰謝料)は、怪我の治療のために入院したり、通院治療したことで受けた精神的苦痛に対する補償です。精神的苦痛は外見からは分からないため、精神的苦痛を感じた時間の長さを元に慰謝料の金額を決めていきます。
後遺障害慰謝料は、後遺障害が残ったという精神的苦痛に対する補償です。後遺障害等級に応じて目安額があります。被害者の症状の程度などを考慮して最終的な金額を確定させます。
死亡慰謝料は、交通事故という他人の不法行為によって命を奪われたという精神的苦痛に対する補償です。被害者が家庭で果たしていた役割に応じて、一定の相場が決められています。家計を支えていた人(一家の支柱)の死亡事故は、最も慰謝料の相場が高くなりやすい傾向です。
また、死亡事故の場合には、死亡した本人への慰謝料とは別に近親者への慰謝料請求も認められます。
人身への被害のない物損事故では、慰謝料の請求は認められていません。これまでの裁判では、ペットの死亡に関する慰謝料、墓石倒壊・文化的創作物の損壊に関する慰謝料が認められたことはあります。しかし、例外的な判例ととらえておきましょう。
「人身事故なのに物損事故として届け出てしまった」という方は、できるだけ早く警察へ人身事故として届け出ることをおすすめします。最長でも、交通事故から10日後くらいまでに警察へ人身事故として届けてください。
物損事故として届けていても、加害者側の保険会社や加害者本人が、被害者の怪我を認識していれば補償を受けられます。しかし後々になって意見の不一致やもめごとが起こった時、被害者が不利になるリスクがあります。人身事故として届け出ておく方が安全です。
交通事故の加害者が加入している保険会社が、被害者に対して慰謝料を支払います。
保険会社には自賠責保険会社と任意保険会社の2つがあり、特に任意保険については、加害者によって加入状況が違います。
自賠責保険
自動車ごとに加入義務がある保険。自動車事故による被害者を救済する目的があります。
任意保険
自賠責保険とは別に、運転手が自分自身で選択して加入する保険。任意保険の役割は、自賠責保険だけでは被害者に補償しきれない分を補てんです。そのため、任意保険は「上乗せ保険」などと言われることもあります。
任意保険会社には示談担当者がいて、加害者の代わりに被害者との示談交渉を行うケースがあります。
慰謝料は課税対象外です。
慰謝料に限らず、交通事故の示談金(例:休業損害・治療費・修理費など)は損害賠償の性質をもつため、基本的には税金はかかりません。
しかし、なかには課税対象となるケースもあります。次のような場合は、課税対象となりえますのでご注意ください。
慰謝料が課税対象になりえる場合
慰謝料は、誰が計算するかによって計算方法が異なります。 被害者にとって最も重要なことは、弁護士基準(裁判基準)で計算した時に、慰謝料が最も高額になることです。
これまでの裁判の結果を元に定められた慰謝料の算定基準。裁判所でも適用されている基準で、慰謝料相場は最も高額になる。弁護士基準は、裁判基準や赤い本の基準と呼ばれることもある。
慰謝料の適正相場がどのように確定するかを、具体的にみていきましょう。
表の使い方
入院・通院にかかった期間をもとに、算定表を使って慰謝料を計算します。慰謝料の算定表には、重傷と軽傷の2種類があり、基本的には重傷の算定表を使用してください。
例外として、むちうち・打撲・擦り傷などの比較的軽いケガに関しては、軽傷用の算定表を使いましょう。 表で目安額を求めてから、怪我の程度など個々の事情を加味して最終的な金額決定となります。
実際に表を使って、入通院慰謝料を計算してみましょう。
骨折の場合は、重傷用の慰謝料算定表を使います。
入院2月・通院5月の交わっている箇所をみてみましょう。骨折で入院2ヶ月(入院60日)、通院5ヶ月(通院150日)のケースでは、入通院慰謝料相場は173万円です。
なお、入院期間が長引くほど慰謝料は高額になります。入院が長引けば慰謝料がどれくらい増えるのか、関連記事を読むと増額のイメージがつかみやすいでしょう。
入院慰謝料がよくわかる記事
むちうちの場合は、軽傷用の慰謝料算定表を使ってください。
入院0月・通院6月の交わるところは89万円です。むちうちで入院なし、通院6ヶ月(通院180日)の入通院慰謝料は89万円となります。
むちうちの慰謝料がよくわかる記事
後遺障害慰謝料は、入通院慰謝料とは別に認められる慰謝料です。 後遺障害慰謝料は、後遺障害等級に応じて目安額があり、それを元に後遺障害の内容・仕事への影響などを考慮して、最終的な金額決定となります。
詳しくは、本記事後半の『後遺症(後遺障害)の慰謝料』で相場を確認してください。
死亡慰謝料は、被害者が家庭内でどんな存在であったかで相場が異なります。 具体的には、経済的に家庭を支えていた人(一家の支柱)の死亡慰謝料が最も高額になるのです。
死亡慰謝料の相場は、本記事後半の『死亡事故の慰謝料』にて確認してください。
自賠責保険会社と任意保険会社では、慰謝料の計算方法が異なります。 しかし、いずれにせよ弁護士基準で計算した慰謝料の金額には及びません。
自賠責保険会社と任意保険会社の慰謝料算定方法について、概要を説明していきます。
自賠責保険会社は、自動車損害賠償保障法などの法令に基づいて慰謝料を計算します。 日額4,300円が対象の日数分だけ支払われる仕組みです。(2020年3月31日までに発生した事故の場合は4,200円で算定)
慰謝料の対象日数は、入院・通院期間や実際の通院日数を元に計算されます。
自賠責保険による入通院慰謝料
2つを比べて、金額の少ない方を入通院慰謝料として採用します。
慰謝料計算の例
骨折のために入院30日、通院期間は90日となりました。通院90日間のうち、実際に病院を受診したのは50日です。
自賠責保険から支払われる慰謝料を計算してみましょう。
2つの式を比べると、(2)の方が金額が低いです。入通院慰謝料は51万5,000円となります。
任意保険会社の計算方法は、会社ごとに異なっていて一般には公開されていません。これまでの傾向から、任意保険基準の計算結果は自賠責保険の基準とほとんど同じと想定されます。
慰謝料は精神的苦痛にさらされた期間の長さに応じて支払われます。
「毎日通院した方が慰謝料を多くもらえるのでは?」と考える人もいますが、通院日数と慰謝料額は正比例の関係にはありません。
ポイント
通院日数と慰謝料額は正比例で増え続けるわけではない
先ほど「適正な慰謝料を計算する方法」にて、弁護士基準の算定表をご紹介しました。 弁護士基準では、通院日数ではなく「通院期間(治療期間)」を重視します。 弁護士基準の場合、30日の通院期間のうちに15日通院しようが20日間通院しようが、慰謝料額は変わりません。
自賠責保険から支払われる慰謝料は日額で支払われます。しかし自賠責保険の慰謝料計算式の仕組み上、30日の通院期間のうちの慰謝料は12万9,000円が上限となります。15日間通院しても、30日毎日通院しても、12万9,000円です。
もし「慰謝料を少しでも多くもらいたい」と思うなら、通院日数をひたすら増やす方法は正しくありません。慰謝料を多くもらう方法は、適正な通院頻度を守り、増額の余地がないかを弁護士と検討することです。
通院期間と慰謝料の関係については、関連記事でもわかりやすく整理しています。慰謝料が減額されてしまう通院の仕方を紹介しているので、通院頻度に不安のある方、途中で通院をやめてしまった人は目を通しておくと良いでしょう。
通院慰謝料計算の関連記事
慰謝料増額の理由は次の5つが考えられます。
増額の理由
慰謝料計算機で自動計算された結果から、さらなる増額の可能性があります。
加害者が故意に事故を起こした場合や、加害者の重過失により事故が起こった場合には、慰謝料は相場よりも増額される可能性があります。
加害者の不誠実な態度により、被害者の精神的苦痛が増大したと認められた場合には、慰謝料の増額が見込めます。
事例|東京地判平25.12.17
男は無免許飲酒運転の状態で逃走、被害者を約2.9kmにもわたって故意に引きずり死亡させた。極めて悪質かつ残酷な殺人罪に該当するもので、被害者の苦しみは筆舌につくしがたい。また、30歳にして妻・子を残して突然命を奪われた無念さは察するに余りあるとして、本人分3,500万円、妻子に各250万円の合計4,000万円(相場2,800万円)を認めた。
逸失利益が認められなかった分、後遺障害慰謝料として考慮されたケースです。
事例|大阪地判平19.7.17
婦人服販売員は、交通事故で下顎に4mm×1mmの状痕が残り、後遺障害12級15号となりました。しかし、事故後にも昇給をしていることから、醜状痕が就労・収入に影響したと認められないとして、後遺障害逸失利益は否定されました。しかし、下顎以外の外貌醜状も考慮して、後遺障害慰謝料は相場より高い320万円(相場は290万円)が認められたのです。
弁護士基準では、次のような事情がある場合、実際の入院期間に応じた慰謝料相場から増額される可能性があります。
弁護士基準の算定表に記載されている金額は、あくまで目安に過ぎません。 慰謝料は精神的苦痛に対する補償ですので、精神的苦痛が大きいと考えられる場合は、相場よりも増額して交渉するべきです。 たとえば、次のようなケースでは、精神的苦痛がより大きいために慰謝料が高額になると考えられます。
また、傷害の程度や受傷部位によっても20%~30%程度増額される可能性があります。
交通事故の慰謝料が減額されてしまうケースを4つ紹介します。
減額の理由
最終的にいくらの慰謝料が手元もらえるのかは、過失割合によって変わります。過失割合とは、加害者・被害者が持つ交通事故の責任の度合いを比率で表すものです。
たとえば、慰謝料の相場が100万円で過失割合が8対2だとしましょう。被害者にも2割の責任がある場合、本来もらえる100万円の慰謝料から2割減額されて、80万円だけしかもらえません。
過失割合に納得がいかないまま示談をするのは避けてください。
弁護士に相談・依頼いただければ、保険会社が提示する過失割合が妥当性を確認し、不当であると判断した場合には粘り強く交渉します。
加害者の自賠責保険会社や任意保険会社から支払われる保険金と、労災や厚生年金などの保険から受けとる保険金が同じ事柄への補償を目的とする場合、片方は支払われません。
重複分の控除は損益相殺ともよばれます。決して被害者が損をしているわけではありません。
労災保険給付と損害項目の対応を例示します。
加害者側の保険 | 労災保険給付 |
---|---|
治療費 | 療養補償給付(療養給付) |
休業損害 | 休業補償給付(休業給付)、傷病補償年金(傷病年金) |
後遺障害逸失利益 | 障害補償給付(障害給付) |
将来介護費 | 介護保障給付(介護給付) |
死亡逸失利益 | 遺族補償給付(遺族給付) |
葬儀費用 | 葬祭料(葬祭給付) |
慰謝料 | なし |
※()は通勤災害の場合
被害者の従来の性質や気質が、怪我・後遺症の症状の一因であるという考え方です。交通事故だけが症状の原因ではないとして、慰謝料を相場から一定程度の減額をすべきというものです。
素因減額とよばれる考え方で、心因的要因と体質的素因の2つに分類可能です。
性格や気質(心因的要因)と疾患・疾病(体質的素因)については、素因減額の対象となりえます。
一方で、「首が平均より長い」などの身体的な特徴については、素因減額の対象とはされません。
通院日数が少ない場合、たとえ弁護士基準であっても、慰謝料は減額される可能性があります。 具体的には、30日の通院期間のうち10日以上は実際に通院していることが望ましいです。
通院日数が少ないことは、慰謝料減額だけでなく、治療費・休業損害の打ち切りにもつながる恐れがあります。 きちんと怪我を治すことにもつながるため、適切な通院が大切です。
慰謝料の受け取りは、原則示談成立から2週間程度後になります。 保険会社としても、一定の事務処理期間がかかるためです。
示談を始められる時期は、被害者の損害によって違います。
示談交渉は損害額を確定できるようになってから始めましょう。
損害額を確定できるタイミングは、どんなに早くても、被害者の通院治療が終わった時点です。
事故現場やお見舞いの場(病院・家庭)などで示談を持ち掛けられても、絶対に応じてはいけません。
示談交渉を始められる時期は次の通りです。
損害 | 示談交渉の開始時期 |
---|---|
人身事故(後遺症なし) | 通院終了後 |
人身事故(後遺障害あり) | 後遺障害等級認定後 |
死亡事故 | 葬儀後または四十九日の法要後 |
物損 | 即日 |
ひとつの交通事故の中でも、人身部分・物損部分の損害に分けることが可能です。
つまり、示談交渉も人身部分・物損部分に分けて行えます。そのため、修理費や買い替え費用等は、人身部分よりも先に示談が成立して支払いを受けられるケースが多いです。
慰謝料は、被害者請求をすることで、示談の成立よりも前に受けとることができます。
加害者側の自賠責保険会社に直接請求する方法。自動車損害賠償保障法(自賠法)の16条で補償される権利であるため、16条請求ともいわれる。
自賠責保険会社の本来の目的は、被害者の救済です。自賠責保険会社に直接請求することで、任意保険会社との交渉を待たずに慰謝料を早く受けとることができます。
ただし、自賠責保険会社に請求できる金額の上限には注意しましょう。不足分は任意保険会社を交渉して、示談後の受領となります。
被害者請求で認められる金銭 | |
---|---|
傷害分 | 120万円 |
後遺障害分 | 75万円~4,000万円 |
死亡分 | 3,000万円 |
被害者請求を行わない場合、なぜ慰謝料獲得は示談成立後になってしまうのでしょうか。それは、自賠責保険会社から支払われる慰謝料などについても、任意保険会社を通す場合があるためです。
任意保険会社は「任意一括払」というサービスのもと、自賠責保険会社から支払われるお金も一括して対応をしています。 被害者にとっては、やり取りをする相手が一本化されるため、ひとつのメリットといえるでしょう。
その一方で、任意保険会社を通して交渉することで、自賠責保険会社から支払われる分の支払いも示談後になってしまうデメリットがあります。
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ポイント
後遺症は、後遺障害等級認定を受けることで後遺障害慰謝料の請求が可能です。 後遺障害慰謝料は後遺障害等級ごとに基準額が定められています。
後遺障害等級認定を受けるための条件は次の通りです。
4つの条件
具体的に、どんな症状が何級に該当するのかをみてみましょう。
等級 | 症状の内容 |
---|---|
第1級 |
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第2級 |
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等級 | 症状の内容 |
---|---|
第1級 |
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第2級 |
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第3級 |
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第4級 |
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第5級 |
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第6級 |
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第7級 |
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第8級 |
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第9級 |
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第10級 |
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第11級 |
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第12級 |
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第13級 |
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第14級 |
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後遺障害慰謝料は、後遺障害等級ごとにおおよその相場が決まっています。
等級 | 自賠責* | 弁護士 |
---|---|---|
1級・要介護 | 1,650 (1,600) | 2,800 |
2級・要介護 | 1,203 (1,163) | 2,370 |
1級 | 1,150 (1,100) | 2,800 |
2級 | 998 (958) | 2,370 |
3級 | 861 (829) | 1,990 |
4級 | 737 (712) | 1,670 |
5級 | 618 (599) | 1,400 |
6級 | 512 (498) | 1,180 |
7級 | 419 (409) | 1,000 |
8級 | 331 (324) | 830 |
9級 | 249 (245) | 690 |
10級 | 190 (187) | 550 |
11級 | 136 (135) | 420 |
12級 | 94 (93) | 290 |
13級 | 57 (57) | 180 |
14級 | 32 (32) | 110 |
後遺障害等級しだいで慰謝料の金額がずいぶん変わります。適切な等級で後遺障害認定を受けなくては、被害者の方は損をしてしまうのです。
認定内容に不服があれば異議申し立ては何度でも認められています。しかし、異議申し立てをする際には、不満の残る認定内容となった理由を検討して、新たな資料を提出するなど改善を行うべきです。
後遺障害等級非該当(無等級)と認定された場合や、別の後遺障害をもともともっていた場合の慰謝料については、関連記事で詳しく解説しています。
後遺障害認定を受けることは、決して簡単なことではありません。後遺障害認定を受けられなかった場合の対応も知っておきましょう。
さらに詳しい後遺障害慰謝料の記事
後遺障害等級認定を受けるということは、労働能力の喪失が認められたことになります。労働能力が下がることで生じる減収は、逸失利益として加害者側に請求可能です。
逸失利益は次の計算式で算定できます。
逸失利益の計算式
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 就労可能年数に対するライプニッツ係数
逸失利益は、被害者の事故前の年収、認定された後遺障害等級、症状固定時の年齢を元に算定可能です。
また、被害者本人の努力や職場の理解・好意によって減収しない場合もあります。このような場合には、実際に減収していなくても、逸失利益の請求が認められる可能性が十分あるので、弁護士に相談してください。
逸失利益は、相手方ともめやすい損害項目の一つです。具体的な計算方法や計算時のポイントを知っておくことで、損のない逸失利益獲得に近づくことができるでしょう。
逸失利益の詳しい計算方法については、関連記事をお役立てください。あるいは、慰謝料計算機を使えば、逸失利益も自動計算されます。
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ポイント
被害者が家庭で果たしていた役割に応じて死亡慰謝料の相場は異なります。
弁護士基準の死亡慰謝料相場は、一家の支柱(経済的な中心人物)で2,800万円、妻・母親で2,500万円、その他の場合で2,000万円~2,500万円です。
被害者の立場 | 金額 |
---|---|
一家の支柱 | 2800万円 |
母親・配偶者 | 2500万円 |
その他の場合 | 2000万円~2500万円 |
※近親者への慰謝料も含む
自賠責保険の支払基準では、死亡慰謝料は一律400万円とされています。事故が2020年3月31日までに起こった場合は350万円が相場です。
遺族の人数や扶養者の有無で加算されますが、自賠責保険から支払われる金額は、最大でも1,350万円となります。弁護士基準で算定すると1,000万円近く高額になる可能性があるので、自賠責保険の基準で安易に示談すべきではありません。
交通事故で命を落とすことがなければ、被害者は働いて収入を得ることができたと考えられます。死亡逸失利益は、事故によって失われた収入を補償する金銭です。
死亡逸失利益の計算には、被害者の年齢、事故前の年収などを用います。 具体的な計算は、関連記事から確認してください。
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ポイント
精神的苦痛には性差や職業差はありませんので、慰謝料は主婦・主夫に対しても同様に認められます。
一方で、専業主婦の場合、休業損害や逸失利益は注意が必要してください。その理由は、「休んでいた」という証明が難しいことや、家事労働を金銭的価値に置き換えづらいことがあげられます。
家事ができないことへの補償は、休業損害として相手方に請求しましょう。休業損害は対象日数分の日額を請求するので、まずは1日あたりの基礎収入日額を求めていきましょう。
自賠責基準 | 6,100円* |
任意保険基準 | 自賠責基準とほぼ同じ |
弁護士基準 | 約10,630円(令和元年賃金センサス約388万円÷365日) |
*2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合は5,700円
賃金センサスとは、国が行う統計結果のことです。専業主婦の休業損害計算には、女性の全年齢平均賃金を用います。なお、主夫の場合も同様に女性の全年齢平均賃金で求めてください。
兼業主婦の場合は給与をベースにした日額を求めて、賃金センサス結果と比較します。そして金額の高い方を休業損害として請求してください。
後遺障害によって今までのように家事ができなくなることは、労働能力が下がったという損害です。損害は逸失利益として補償を請求しましょう。
逸失利益を求める計算式は次の通りです。
逸失利益の計算式
基礎収入 × 労働能力喪失率 × 就労可能年数に対するライプニッツ係数
保険会社から「主婦・主夫については金銭収入を得ていないため、逸失利益が認められない」という説明を受けるケースがあります。しかし、主婦・主夫であっても逸失利益は支払われるべきお金です。
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ポイント
慰謝料は、すべての被害者に共通の計算方法で求めることができます。また、胎児への影響しだいでは、慰謝料の増額が見込まれるでしょう。
また、赤ちゃんが障害を持って生まれてきた場合には、赤ちゃんへの治療費・入通院慰謝料のほか、後遺障害慰謝料も請求可能です。
流産・死産となってしまった場合、流産・死産という大きな精神的苦痛を受けたとして、妊婦への慰謝料が増額される可能性があります。なお、胎児本人への死亡慰謝料は認められていません。
ポイント
他者の運転する車両に乗っていて交通事故にあった場合、被害者の慰謝料はどうなるのでしょうか。
自損事故の場合は、慰謝料の請求相手は原則運転者です。そのほか、車両を所有する人物や使用者に請求できるケースも存在します。
相手のある事故の場合、慰謝料の請求先は、運転者、相手車両の運転者(あるいは相手車両の所有者や使用者)まで検討しましょう。
運転手と被害者の関係や同乗することになった経緯しだいで、請求できる慰謝料が減額される可能性があります。
たとえば、運転者が飲酒をしていた事実を知っていた場合、無免許運転だと認識していた場合、シートベルトを付けずに両足をダッシュボードに載せていた場合です。
しかし、飲酒の事実を知っていても、慰謝料が減額されなかった判例もあります。 同乗中の事故については、事故が起こった背景を丁寧に確認しなくてはなりません。
ポイント
内縁関係とは、生活実態上の夫婦をさすものの、法律上の夫婦ではありません。 例えば、内縁関係にある夫が死亡事故にあっても、内縁の妻はその請求権を相続できないのです。
請求できるのは、内縁関係にあった夫を亡くしたという「内縁の妻としての慰謝料」であり、死亡慰謝料の金額よりも低くなると想定されます。
ポイント
追突事故は、被害者に一切の過失が認められない場合が多いです。
しかし、被害者に過失がない場合、被害者が加入する任意保険会社は示談交渉を行えなません。 被害者は、一人で相手方の保険会社との交渉をよぎなくされます。 相手方の保険会社に主導権を握られないよう、早めの弁護士相談をおすすめします。
また、むちうちで後遺症が残るケースもあります。後遺障害認定は簡単ではなく、特にむちうちは認定を受けることが難しいものです。後遺障害認定の申請を検討している方は、お早めに弁護士にご相談ください。早い段階の方が、サポートできることは多いです。
弁護士が慰謝料を算定する時には、保険会社の基準ではなく、裁判でも認められる算定基準を使うべきです。そうすることで、保険会社が提示する金額からの増額が期待できます。
交通事故の治慰謝料相場を比較してみましょう。
比較するのは、加害者側の自賠責保険会社提示額と弁護士基準による相場です。
通院日数 | 自賠責保険会社 | 弁護士基準 |
---|---|---|
15日 | 12万9,000円 | 53万円* |
30日 | 25万8,000円 | 53万円 |
50日 | 38万7,000円 | 53万円 |
90日 | 38万7,000円 | 53万円 |
*減額の可能性あり
自賠責保険会社による慰謝料は、通院3ヶ月(治療期間3ヶ月)のうち、実際に病院を受診した日数も考慮して計算されます。
しかし、弁護士基準が重視するのは通院期間です。そのため、よほど通院日数が少ない場合のをぞいて、慰謝料は一定額となります。
弁護士基準で相場通りの慰謝料を請求するなら、3日に1回程度の通院頻度を守ることが重要です。
続いて、骨折の入通院慰謝料をみてみましょう。
通院日数 | 自賠責保険会社 | 弁護士基準 |
---|---|---|
15日 | 12万9,000円 | 73万円* |
30日 | 25万8,000円 | 73万円 |
50日 | 38万7,000円 | 73万円 |
90日 | 38万7,000円 | 73万円 |
*減額の可能性あり
骨折で3ヶ月通院した場合の慰謝料ですが、自賠責保険会社から支払われる金額は、むちうちの時と同様です。
骨折はむちうちと比べて、ギプスなどの固定期間があるなど、痛みや生活への不便が出やすいものです。また、骨折部位によっては手術も必要でしょう。
しかし、自賠責保険会社から支払われる金額は「日額4,300円」と、むちうちと同額です。
一方、弁護士基準で計算したとき、むちうちと比べて、骨折の慰謝料相場が20万円程度高くなります。
重傷者ほど、自賠責保険会社から支払われる金額をそのまま受け入れるべきではありません。
慰謝料だけでなく、後遺障害に関する補償や休業損害も増額の可能性があります。 弁護士は、受けとる金額全体の増額を目指す「被害者の味方」です。
後遺障害等級認定を受けることは、正当な補償を受けるための第一歩となります。 後遺障害等級認定の申請には、「事前認定」と「被害者請求」の2パターンがあることを知っておきましょう。
そして、より適切な後遺障害等級認定を目指すならば、被害者請求での申請がおすすめです。
被害者請求は、被害者が資料一式をそろえて加害者側の自賠責保険会社に後遺障害申請をします。被害者の症状を説明する資料などを吟味できるため、より良い結果が期待できるのです。
その一方で、資料収集の手間がかかり、被害者の負担となります。
「事前認定」は、後遺障害診断書さえ用意すれば、あとは加害者側の任意保険会社が申請してくれる方法です。 もしかすると任意保険会社から「事前認定で申請しておきますよ」などと言われるケースもあるかもしれません。
しかし、加害者側の保険会社が、被害者を思って力を尽くしてくれるとは限りません。「後遺障害等級認定を受けるにはどうすればいいか」などと苦心して、創意工夫をしてくれることはないのです。
弁護士にご依頼いただければ、被害者請求のサポートが可能です。
手間を最小限に抑えて、最大限の結果を得るためには、弁護士と共に被害者請求を行うことです。
日常生活を取り戻したい被害者にとって、相手方とのやり取りは負担となります。 交通事故発生から示談までは年単位の時間がかかることもあり、その間ずっと事故の相手方と関わり続けることになるのです。
本当は治療に専念したくても、保険会社対応やトラブルで頭がいっぱいになることもありえます。
弁護士にご依頼いただければ、相手方からの窓口はすべて弁護士に集約可能です。 被害者は治療に集中して、一刻も早く日常生活への復帰を目指していきましょう。
アトム法律事務所では、交通事故の慰謝料に関する被害者のお悩み・お困りごとを多数解決してきました。
慰謝料を請求するという経験はそうそうありませんので、疑問や迷いが生じて当然です。
弁護士に依頼して増額ができる、といわれてもイメージしづらいかと思いますので、アトム法律事務所の解決実績の一部を紹介します。
怪我 | 右足首内踝骨折、右足首外踝骨折 |
後遺障害 | 12級7号 |
最終回収金額 | 1,063万円 |
保険会社提示額 | 369万円 |
原付バイクで走行中の被害者が、交差点で軽バンに巻き込まれてケガをしました。ケガは右くるぶしの骨折で、治療に要した期間は1年以上です。症状固定となり、後遺障害等級12級7級に認定されました。
加害者側は、労働力喪失期間を5年と主張してきたのです。しかし、弁護士がねばり強い交渉をした結果、6倍に相当する、30年分の労働能力喪失期間が認められました。最終回収金額は1,063万円となり、加害者側提示額369万円から、約2.9倍の示談金増額に成功したのです。
アトム法律事務所では、被害者の方からじっくりお話をお伺いして、増額の見込みをお伝えします。そして十分にご検討いただいてから、正式な契約をする流れです。お問い合わせ=契約ではありません。どうぞお気軽に慰謝料に関する疑問をお問い合わせください。
アトム法律事務所では3つの窓口で弁護士への法律相談予約を承っています。
どれも無料になっていますので、お好きな方法でご連絡ください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了