交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
死亡事故の遺族の方に、まずはお悔やみ申し上げます。死亡事故が起こったとき、遺族の悲しみは筆舌に尽くしがたいものでしょう。
遺族の方は、精神的苦痛の補償として、加害者側に慰謝料を請求することが可能です。この記事では、交通事故の死亡慰謝料の相場や、死亡慰謝料が増額・減額されるケースを解説します。
死亡事故の慰謝料は、一定の基準で算定されます。加害者側の保険会社が提示した慰謝料額は、算定基準が変われば増額されることがあるのです。また、事故の状況を汲んで、より適正な慰謝料に増額することも可能でしょう。
命の重みはお金で測れるものではないですが、適正な慰謝料を受け取ることは、遺族の悲しみや亡くなられた被害者の無念を少しでも和らげるために重要だと思われます。
また、慰謝料以外に受け取れるお金や、慰謝料に関するよくある悩みと対処法もご紹介します。この記事が、交通事故で大切なご家族を失った方の一助になれば幸いです。
目次
慰謝料とは、損害賠償金の一部で、「他人の不法行為によって受けた精神的苦痛に対する補償」のことを言います。
交通事故の死亡慰謝料には「被害者本人の慰謝料」と「遺族の慰謝料」の2種類があるので、順に確認していきましょう。
死亡事故が発生したとき、亡くなった被害者本人分の慰謝料として、「死亡させられた精神的苦痛に対する慰謝料」が請求できます。
ただし、被害者本人は亡くなっているため慰謝料を請求することができません。その代わりに、被害者の慰謝料請求権の相続人が加害者に慰謝料を請求することになるのです。
死亡事故の遺族の慰謝料としては、「近親者を喪った精神的苦痛に対する慰謝料」が請求できます。
その根拠となるのが民法711条です。民法711条では、遺族にも固有の慰謝料請求権が発生することが定められているのです。
他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者及び子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない。
民法711条
民法711条で定められている遺族の範囲は「被害者の父母、配偶者及び子」です。ただし、過去の裁判では、被害者の父母や配偶者、子供に匹敵する精神的苦痛を受けたと認められる者にも慰謝料を認められたことがあります。たとえば、被害者の内縁の配偶者や、被害者が親代わりに面倒を見てきた親戚などが挙げられるでしょう。
ここからは、死亡慰謝料としてどのくらいの金額が請求できるか、相場や計算方法を紹介していきます。
死亡慰謝料の計算には3つの算定基準があり、算定者によって用いる基準が異なります。誰が死亡慰謝料を計算するかによって、死亡慰謝料の金額は変わるのです。
それでは、3つの基準で計算したとき、死亡慰謝料がいくらになるか、確認してみましょう。
自賠責基準では、被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料の金額が下記の表のとおり定められています。なお、民法が改正されたため、被害者本人の慰謝料は2020年3月31日以前に発生した事故と、2020年4月1日以降に発生した事故で異なります。
慰謝料の金額 | |
---|---|
被害者本人の慰謝料 | 400万円(350万円)※ |
※()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
遺族の状況 | 慰謝料の金額 |
---|---|
遺族1名※ | 550万円 |
遺族2名 | 650万円 |
遺族3名以上 | 750万円 |
被害者に被扶養者がいるとき | 上記の金額に加えて200万円 |
※遺族とは被害者の父母、配偶者及び子のこと
実際の計算方法について、モデルケースで確認してみましょう。
モデルケース
被害者に配偶者と扶養している子2名がいる場合
ただし、自賠責保険から支払われる金額には、限度額が設定されています。
死亡事故の限度額は、死亡慰謝料や、後述する損害賠償額を合計して、被害者1名につき3,000万円までです。3,000万円を超えた分については、自賠責保険からは支払われないので、加害者側の任意保険会社に請求することになるでしょう。
任意保険基準は、各任意保険会社が独自に設定しています。
各任意保険会社が設定している基準は公開されていないので、ここで計算方法をお伝えすることはできません。相場としては、自賠責基準と同額か自賠責基準よりやや高額で、後述する弁護士基準を大きく下回る金額であることが多いでしょう。
先述のとおり、交通事故の慰謝料は、弁護士基準で計算したときに最も高額かつ法的にも適正な金額になります。
弁護士基準では、慰謝料の金額は被害者の家庭内での立場によって異なります。
弁護士基準の慰謝料の相場は下記の表のとおりです。なお、下記の金額は被害者本人の慰謝料と遺族の慰謝料を合算したものと考えてください。
被害者の立場 | 慰謝料の金額 |
---|---|
一家の支柱※ | 2,800万円 |
一家の支柱に準じる立場(母親、配偶者など) | 2,500万円 |
その他(独身の男女、高齢者、子供など) | 2,000万円~2,500万円 |
※被害者の世帯が主に被害者の収入で支えられていること
先ほどのモデルケースを準用すると、被害者は一家の支柱だったので、弁護士基準で計算したとき慰謝料の相場は2,800万円程度になります。
自賠責基準で計算した場合の慰謝料は1,350万円だったので、弁護士基準で計算することで1,000万円以上増額されたことがわかるのではないでしょうか。
ここまで死亡慰謝料の相場をお伝えしてきましたが、ケースによって死亡慰謝料は増額または減額されることがあるのです。どのような状況で死亡慰謝料が増額または減額されるのか、ご紹介します。
死亡慰謝料が増額されるケースとして、主に下記の状況が挙げられます。
実際にどのようなケースが当てはまるのか、過去の判例で確認してみましょう。
加害者に重大な過失がある場合、死亡慰謝料の増額が認められることがあります。重大な過失としては、無免許運転、飲酒運転、信号無視、著しいスピード違反などが挙げられるでしょう。
下記の判例では、加害者が悪質な過積載をしていたことが重大な過失と判断され、死亡慰謝料の増額が認められています。
事故当時、被告は最大積載量の4倍以上の荷物を積み、最大積載量をごまかすようなステッカーを貼っていた。加害者の過積載の態様が悪質であり、過失が極めて重大であることなどから、死亡慰謝料として合計2,800万円が認められた。
(京都地方裁判所 平成25年(ワ)第4226号 損害賠償請求事件 平成27年3月9日)
加害者が、著しく不誠実な態度をとっている場合、死亡慰謝料の増額が認められることがあります。具体的には、遺族に対して謝罪の姿勢を表さない、「自身には過失がない」といった不合理な弁解を繰り返すなどの態度が挙げられるでしょう。
下記の判例では、加害者が謝罪の姿勢を見せなかったため、死亡慰謝料の増額が認められています。
被告は、刑事裁判において遺族に謝罪することを誓いながら、判決後に謝罪を行わなかった。また、民事裁判で裁判所から謝罪を示唆されたにもかかわらず、刑事裁判とは異なる供述をするなどし、遺族に対して慰謝すべきという思慮や自覚がうかがえなかった。被告の不誠実な態度は遺族の精神的苦痛を深めることなどから、死亡慰謝料として合計2,900万円が認められた。
(さいたま地方裁判所 平成23年(ワ)第1767号 損害賠償請求事件 平成24年10月22日)
被害者や遺族の特別な事情を斟酌して、死亡慰謝料が増額されるケースもあります。たとえば、被害者が標準的な世帯人数を超える世帯の支柱である、被害者が妊婦で胎児も一緒に亡くなったなどの状況で、死亡慰謝料の増額が認められたことがあるのです。
下記の判例では、被害者が3歳の幼児であったことを鑑みて、死亡慰謝料の増額が認められています。
事故当時、被害者は3歳の幼児であった。死の意味を十分に理解できない年齢で突然の死を余儀なくされたことから、被害者の肉体的及び精神的苦痛は大きいと判断された。また、突然幼子を喪った父母や近親者らが、死を受容できず呻吟する有様が顕著であることも考慮され、死亡慰謝料として合計2,800万円が認められた。
(大阪地方裁判所 平成18年(ワ)第6574号 損害賠償請求事件 平成20年3月13日)
死亡慰謝料が減額されるケースとして、主に下記の状況が挙げられます。
加害者側から死亡慰謝料を減額することを主張され、納得ができない場合、弁護士に相談してみるとよいでしょう。交通事故に詳しい弁護士ならば、加害者側が必要以上に死亡慰謝料の減額をしていないか判断し、場合によっては適切な金額となるよう交渉することができます。
死亡事故の被害に遭った場合、死亡慰謝料の他に、下記のような損害賠償を求めることが可能です。
それぞれどのような内容か、どの程度の金額を請求することができるか、確認していきましょう。
葬儀費用とは、通夜や葬儀、四十九日までの法要、墓石や仏壇の設置などに要したお金のことです。
葬儀費用として請求できる金額は、算定基準によって異なります。なお、任意保険基準は非公開のためここでは割愛しますが、相場は自賠責基準と同程度か、自賠責基準よりやや高額な程度であることが多いでしょう。
自賠責基準 | 弁護士基準 | |
---|---|---|
葬儀費用 | 一律100万円 (一律60万円)※ | 最大150万円※※ |
※()内は2020年3月31日以前に発生した事故の場合
※※150万円を下回る場合、実際にかかった費用が請求可能
なお、弁護士基準の場合、特別な事情を斟酌して150万円以上の請求が認められることがあります。過去の判例では、事故が発生した地域と地元で2度葬儀を行う必要があった、事故の状況や被害者の身の上などを鑑みて手厚い葬儀を営む必要があったなどの状況で、150万円以上の請求が認められています。
死亡逸失利益とは、被害者が事故で死亡しなければ将来得られたはずの収入のことです。
たとえば、被害者が就労していた場合、事故に遭わずに働き続けていれば、収入を得られていたと推測できます。また、被害者が学生や子供でまだ働いていなくとも、将来的に就労していた可能性は少なくないでしょう。このように本来であれば得られていた収入を、死亡逸失利益として請求できるのです。
なお、被害者が主婦の場合も、家事が労働として評価されるので、死亡逸失利益を請求することができます。
死亡逸失利益は下記の計算式を用いて算出されます。
基礎収入額×(1-生活費控除率)×就労可能年数に対応するライプニッツ係数
式に用いられている項目の詳しい内容は下記のとおりです。
被害者に昇給の見込みがあった場合や、無職で就職活動中だった場合など、特殊な事情を勘案して死亡逸失利益が認められることもあります。加害者側から提示された死亡逸失利益が適正な金額か知りたいときは、弁護士に相談するとよいでしょう。
被害者が事故の直後に亡くなるのではなく、一定期間の治療をしたあと亡くなった場合、治療期間中の「治療関連費」や「休業損害」、「入通院慰謝料」が請求できます。
治療関連費とは、事故で受けたケガを治療するために要したお金のことです。
治療関連費として請求できる主な項目は下記のとおりになります。
休業損害とは、事故によるケガなどで働けなかったため失った収入のことです。
入通院による治療のため出勤できない、ケガの程度がひどいため業務を行えないなどの理由で休業したときに請求することが可能です。なお、治療を行ったが残念ながら亡くなってしまった場合、亡くなるまでに失った収入を休業損害、亡くなったあと将来にわたって失う収入を死亡逸失利益として請求することになります。
休業損害の金額は、算定基準によって異なります。休業損害の計算方法については、『交通事故の休業損害はいくらもらえる?計算方法や事例を紹介』の記事で解説しているので、詳しく知りたい方はご覧ください。
入通院慰謝料とは、事故で傷害を負ったことによる精神的苦痛に対する補償のことです。
入通院慰謝料の金額は、算定基準によって異なります。入通院慰謝料の相場については、『交通事故の慰謝料は入院・手術で増額する?相場や計算方法の基本と例外』で解説しています。
死亡慰謝料を含めた損害賠償金について、いつ受け取れるのか、誰が受け取れるのかなど、疑問を持っている方もいらっしゃるかもしれません。死亡事故の損害賠償に関するよくある質問を7つご紹介します。
損害賠償金を受け取れるのは、基本的には示談成立後になります。もし示談が不成立となった場合、調停や裁判で賠償金の金額が確定したあとになるでしょう。
死亡事故の損害賠償金を受け取るまでの流れは下記のとおりです。
損害賠償金を早めに受け取りたいときは、自賠責保険の「仮渡金制度」を利用したり、自賠責保険へ「被害者請求」をしたりすることを検討しましょう。
示談交渉や裁判に時間がかかり、損害賠償金の受け取りまで長く待たなければならないこともあります。一家の支柱を失った場合、生活費が苦しくなることもあるでしょう。仮渡金制度や被害者請求では、示談が成立する前に損害賠償金の一部を受け取ることができます。
仮渡金制度とは、加害者側の自賠責保険会社に、損害賠償金の一部を先に支払ってもらえる制度のことです。
死亡事故の場合、仮渡金として一律290万円を請求することができます。
仮渡金を請求したい場合、加害者側の自賠責保険会社に問い合わせれば、必要な書類を教えてもらえます。
被害者請求とは、加害者側の自賠責保険会社に、被害者側が直接損害賠償金を請求することです。
通常は、損害賠償金は示談成立後に加害者側の任意保険会社から被害者側に支払われます。このとき、加害者側の任意保険会社が支払う金額には、加害者側の自賠責保険会社が負担する金額も含まれています。示談成立まで時間がかかるときは、被害者請求を行うことで、先に加害者側の自賠責保険会社が負担する金額を受け取れるのです。
先述のとおり、自賠責保険が死亡事故で支払う金額は3,000万円までとなっています。3,000万円を超える分については示談成立を待たなければならないので、注意しましょう。
損害賠償金は、原則的に法定相続人が受け取ります。ただし、死亡慰謝料のうち、遺族の慰謝料は指定された遺族が受け取ることになるので注意しましょう。
法定相続人となれる人の範囲は下記のとおりです。被害者の配偶者は必ず法定相続人となり、配偶者以外の人は優先順位に応じて法定相続人となります。
必ず法定相続人になる人
優先順位に応じて法定相続人になる人
なお、内縁の配偶者の場合は、法定相続人になることはできません。ただし、亡くなった被害者から本来受けられたはずの「扶養利益」や、内縁の配偶者固有の慰謝料を加害者に請求することはできます。
法定相続人が複数いる場合、基本的には法律で決められた相続分にしたがって分配することになるでしょう。ただし、法定相続人全員が合意したり、被害者の遺言状があったりしたならば、分配の割合を変更することもできます。分配の割合については、「遺産分割協議書」を作成して残しておくとよいでしょう。
死亡事故の損害賠償金の分配については、『交通死亡事故の慰謝料分配|相場額や遺産分割による分配方法がわかる』の記事でも詳しく説明しています。
先述のとおり、弁護士基準で死亡慰謝料を計算するとき、高齢者や子供は「その他」の分類になります。一家の支柱として働いている人や、一家の支柱に準じる配偶者・母親と比べると、やや低い金額となることが多いでしょう。
ただし、高齢者だが一家の支柱である場合や、家事の多くを行っていた場合など、個別の事情を勘案して一般的な高齢者の死亡慰謝料より多い金額が認められることもあります。下記の判例では、被害者は高齢者でしたが、一家の支柱と判断されました。
事故当時、被害者は79歳で、宗教法人役員として職務に従事していた。被害者が一家の支柱であると判断されたことなどから、死亡慰謝料として合計2,800万円が認められた。
(大阪高等裁判所 平成29年(ネ)第1187号 損害賠償請求控訴事件 平成30年1月26日)
個別の事情が死亡慰謝料に反映されるか知りたい方は、弁護士に相談するとよいでしょう。
損害賠償金は原則として課税されません。
損害賠償金を受け取った人は、交通事故などで受けた損害を補填してもらっているのであり、利益を得ているわけではないためです。所得税法や相続税法でも、損害賠償金は課税対象としないことが定められています。
ただし、下記の項目は課税対象となる可能性があるので、注意しましょう。
損害賠償を請求できるのは、基本的には被害者が亡くなった日の翌日から5年間です。
ただし、車の修理といった物損部分については、交通事故の発生日から3年間で時効となるので、注意しましょう。
また、ひき逃げなどで加害者が誰かわからないときは、事故の翌日から20年間か、加害者が誰かわかってから5年間の、いずれか早い方の日に時効が成立します。物損部分については、加害者が誰かわかってから3年間で時効となります。
なお、人損の時効が5年間となったのは、2020年4月1日に民法が改正されてからです。それまでは、加害者が誰かわかっていない場合を除き、人損の時効は3年間とされていました。
加害者が任意保険に加入していないときは、損害賠償金のうち自賠責保険から支払われる分を超えた金額を、加害者自身が負担する必要があります。このとき、加害者に支払い能力がなかったとしたら、被害者側はどのように損害の補填を受けたらよいのでしょうか。
考えられる対処法としては、下記の4つが挙げられます。
被害者が加入している任意保険や労災保険などから保険金を受け取ることで、損害賠償金をまかなうことが可能です。利用できる保険としては、主に下記のものが挙げられます。
人身傷害補償保険 | 交通事故で死傷した場合に利用可能。 被害者の過失部分についても補償される。 |
搭乗者傷害保険 | 車の運転者や同乗者が交通事故で死傷した場合に利用可能。 あらかじめ定められた金額を受け取ることができる。 |
無保険車傷害保険 | 加害者が任意保険未加入の場合や、加害者が不明の場合に利用可能。 被害者の過失部分については補償されない。 |
車両保険 | 被害者の車の修理に利用可能。 |
労災保険 | 業務中や通勤中に事故が起こった場合に利用可能。 遺族特別支給金や葬祭料などを受け取ることができる。 |
健康保険 | 被害者が亡くなるまでに治療をした場合に利用可能。 治療費を3割負担にすることができる。 |
交通事故の被害に遭ったときに利用できる保険や請求方法については、『交通事故で使える保険の種類一覧|請求の流れについても解説』の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
加害者に対し、損害賠償金を分割払いとするよう交渉するのも手段の一つです。
高額な損害賠償金を一括で請求すると、加害者に支払いを拒否されてしまう場合があります。分割払いとすることで、態度が軟化することもあるでしょう。
ただし、分割払いには、加害者が支払いの途中で行方不明になったり、支払いをやめたりするリスクも存在します。
損害賠償金を分割払いとするときは、「公正証書」で示談書を作成するとよいでしょう。公正証書とは、公証人が作成する公文書であり、信頼性の高い書類とみなされています。
また、公正証書に「強制執行認諾条項」といった条項をつけることで、支払い遅延の対策をすることができます。具体的にどのような公正証書を作成すればよいかは、一般的には弁護士に相談するとよいでしょう。
強制執行とは、損害賠償金が支払われなかったときに、相手の財産を差し押さえるといった方法で、損害賠償を強制的に実現することです。なお、強制執行は裁判所が行います。
強制執行は、下記の場合に申立てることができます。
訴訟や強制執行を行う場合、一般的には弁護士に相談するとよいでしょう。
調停や裁判については、『交通事故をADRや裁判で解決する方法|示談が不成立なら利用しよう』の記事で詳しく説明しています。
加害者が任意保険だけではなく自賠責保険にも加入していなかった場合、加害者に損害賠償金をすべて請求することになります。このとき、加害者側に支払い能力がなかった場合、政府の保障事業を利用することが可能です。
政府の保障事業は、自賠責保険から保険金の支払いを受けられない交通事故被害者を救済するための制度です。政府の保障事業を利用することで、自賠責保険から支払われる保険金と同額のお金を受け取ることができます。なお、政府の保障事業にも自賠責保険と同じように上限があり、死亡事故の場合は3,000万円までとされています。
政府の保障事業と自賠責保険の違いは下記のとおりです。
また、政府の保障事業は、ひき逃げなどで加害者が誰かわからない場合も利用することが可能です。
死亡事故が発生し、加害者側と示談交渉などをするときは、あらかじめ弁護士に相談・依頼することをおすすめします。
死亡事故を弁護士に依頼するメリットは、大きく2つです。
死亡事故が発生したとき、遺族の方は強いショックを受けておられると思います。その中で、葬儀やさまざまな手続きを行う必要があります。精神的ダメージの回復や、日常生活への復帰に時間がかかる場合も多いでしょう。
そのような状態で加害者側と示談交渉を行うことは、大きな負担になります。死亡事故の場合、加害者側との交渉は難航しがちです。加害者側から心無い言葉をかけられたという話も珍しくありません。
弁護士に示談交渉を任せれば、遺族の方の精神的負担は軽くなるでしょう。弁護士が加害者側と交渉するので、加害者の方は直接交渉する必要がなくなります。また、弁護士は示談交渉に慣れており、損害賠償金の金額が適正か判断することができます。遺族が損害賠償金の金額について悩むことも減るでしょう。
くわえて、必要があれば、弁護士に裁判の手続きを任せることも可能です。
落ち着いて心の傷を癒すためにも、弁護士に依頼することをおすすめします。
先述したとおり、慰謝料には3つの算定基準があり、弁護士基準で算定した金額が最も高額になります。
加害者側の任意保険会社と示談交渉をするとき、大抵は任意保険基準で計算された死亡慰謝料が提示されるでしょう。しかし、その金額には増額の余地があるのです。
また、弁護士が遺族からヒアリングすることで、慰謝料の算定事由に漏れがないか確認することもできます。たとえば、「このような状況は慰謝料増額の事由になる」と弁護士が判断して交渉すれば、より適正な慰謝料に近づくことができるでしょう。
くわえて、法律のプロである弁護士が相手であれば、加害者側の保険会社は態度を軟化せる可能性があります。遺族が直接交渉を行うよりも、慰謝料が増額される可能性は高いと言えるでしょう。
アトム法律事務所には、交通事故に詳しい弁護士が多数在籍しています。
交通事故の実務に精通した弁護士が、交通事故の遺族が適正な補償を受けられるよう、丁寧にサポートやアドバイスをさせていただきます。アトム法律事務所の死亡事故の解決実績については、『死亡事故の解決実績一覧』をご覧ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了