交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
主婦が交通事故被害にあって後遺障害が残った場合、収入はなくても逸失利益を払ってもらえるのでしょうか!?
専業主婦は無収入だから、後遺障害の逸失利益は認めてもらえないですよね?
そんなこと言ってたら、結婚できないよ。主婦の家事労働には、十分な金銭的な価値があるので、逸失利益を認めてもらえるよ。
そうなんですか!?結婚してても安心ですね。
主婦が交通事故で後遺障害を負った場合、家事や育児などが十分にできなくなる可能性があります。サラリーマンの場合は、後遺障害が年収に影響するとして逸失利益を払ってもらえるのに、主婦は払ってもらえないのでしょうか!?
どうやら、昔は、主婦には現実の収入がないし、後遺障害を負っても家庭の収入が減ることはないとして、逸失利益を認めない裁判例もあったそうです。
しかし、現在の判例は、家事労働は金銭的に評価できるものだし、家事労働に対価がないのは、夫婦間だから当然だとして、主婦にも逸失利益を認めているようです。
その場合、女性労働者の平均賃金を基準にして、逸失利益を計算するらしいです。平均賃金は、色々な計算方法があるらしいので、具体的な金額は弁護士に相談してみるといいですね。
(主婦の逸失利益まとめ)
理由 |
結論 |
|
積極説(判例) |
●家事労働は金銭的に評価可能。 ●家事労働に現実の対価がないのは、夫婦の相互扶助義務の一環として行われるため。 ●主婦の協力や節約による蓄財は、離婚や相続で妻に還元される。 |
女性労働者の平均賃金を基礎収入とする。 |
消極説 |
●主婦には現実的な収入がない。 ●主婦の後遺障害によって一家の収入が直接減るわけではない。 |
逸失利益を否定。 |
兼業主婦は、仕事だけじゃなくて家事も育児もやってますが、その場合どうなるんですか?
兼業主婦は、残念ながら収入に加えて家事労働分までは逸失利益として認めてもらえないんだ。
じゃあ家政婦代を請求します!
たしかに、それはいいアイデアかもしれないね。
先生に久しぶりに褒められた!
最近は、子供を保育園に預けてパートタイムやフルタイムで働く兼業主婦が増えているようです。兼業主婦の逸失利益の基礎となる収入は、何を基準にするのでしょうか!?
弁護士さんによれば、兼業主婦の勤務先からの収入が、女性労働者の平均賃金を超えているかどうかで区別するようです。
収入が平均賃金以上であれば、現実収入を基準とし、平均賃金未満であれば、平均賃金を基準とするといいます。ということは、
兼業主婦は仕事だけでなく家事もこなしている。家事労働に金銭的な価値があるのであれば、現実収入に家事労働分の対価を加算してもらえてもよさそうです。しかし、収入以外に家事労働の対価まで加算してもらえる例はほとんどないそうです。
(まとめ表)
基礎収入 |
家事労働分の対価 |
|
収入が平均賃金以上 |
現実収入を基準とする。 |
加算しない |
収入が平均賃金未満 |
女性労働者の平均賃金を基準とする。 |
子供も巣立ってしまった高齢者の場合、さすがに主婦と同じくらいの逸失利益はむずかしいですよね?
高齢者であっても、家族の分も含めて家庭全体の家事を担っていれば、主婦と同じように扱われるよ。
わたしも老後は家事を引き受けて、逸失利益を認めてもらえるような立派な主婦になります!
会社を退職して自宅で過ごす男性や、一人暮らしの高齢者などに後遺障害が残った場合には、主婦と同様に家事労働分の逸失利益を認めてもらえるのでしょうか!?
まず、家族と同居していない一人暮らしの高齢者の場合は、原則として逸失利益を認めてもらえないそうです。ただし、息子夫婦と将来的に同居する可能性が具体的にある場合などは、平均賃金の一部を基準にして、逸失利益を認めてもらえることもあるそうです。
家族と同居していて、家事を全て負担している高齢者の場合は、主婦と同様に、平均賃金を基準にして逸失利益を認めてもらえます。
一方、退職した高齢男性が、掃除や洗濯など、家事の一部を負担していた場合には、負担の程度に応じて、平均賃金の一部を基準にして逸失利益を肯定してもらえることがあるようです。
(まとめ表)
家族との同居なし |
原則 |
将来の同居可能性あり |
||
否定 |
平均賃金の一部を肯定 |
|||
家族との同居あり |
家事の負担なし |
家事を一部負担 |
家事を全部負担 |
|
否定 |
平均賃金の一部を肯定 |
平均賃金を肯定 |
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了