交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
自賠責保険は加入を義務付けられているため、交通事故の被害者は基本的に自賠責保険から慰謝料の支払いを受けることができます。
しかし、自賠責保険から得られる金額は最低限度の金額にすぎません。
相場額の慰謝料を得るには自賠責保険への請求だけでは不十分なことが多いでしょう。
本記事では、自賠責保険により得られる慰謝料の金額や計算方法だけでなく、相場の慰謝料を得るために取るべき手段を解説しています。
自賠責保険による請求を検討されている方は是非ご覧ください。
自賠責保険とは、交通事故被害者に対して最低限の補償を行うことを目的とした自動車保険制度です。
このような目的を達成するため、法律により加入が義務付けられている強制保険となっています。
自賠責保険は人身事故による被害を補償するための保険であるため、交通事故により生じた物的損害の部分は補償の対象とはなりません。
また、人的損害の全てが対象となるわけでなく、あくまでも法律により補償すると定められた範囲内になるのです。
一方、民間の保険会社が提供する任意保険は、加入について自由であり、補償の対象については保険会社が独自に定めた範囲になります。
補償内容については基本的に自賠責保険よりも範囲が広く、物的損害に関しても対象となっているでしょう。
自賠責保険 | 任意保険 | |
---|---|---|
加入 | 強制 | 任意 |
人的損害 | 法律の範囲 | 保険会社が定める範囲 |
物的損害 | 対象外 | 保険会社が定める範囲 |
自賠責保険により補償されていない範囲について支払いを求める場合には、加害者や加害者が加入する任意保険会社に請求を行う必要があります。
また、加害者が自賠責保険に加入していない場合であっても、被害者が政府保障事業への請求を行うことで、自賠責保険と同等の補償を受けることが可能です。
詳しくは『国土交通省のホームページ』で確認可能です。
自賠責保険により補償されている慰謝料は以下の3つになります。
慰謝料ごとに請求が認められる場面が異なります。
入通院慰謝料は他の慰謝料と両立するので、後遺症を治療するために入院や通院をしていた、死亡する前に入院していたというケースでは同時に請求することが可能です。
後遺障害慰謝料を請求するためには、後遺障害等級認定の申請を行い、後遺障害が生じているという認定を受ける必要があります。
申請方法については、『後遺障害認定の手続きはどうすればいい?具体的な申請方法と認定のポイント』の記事を確認してください。
慰謝料とは交通事故被害者の肉体的、精神的苦痛を金銭化したものです。
そのため、交通事故により生じた費用や不利益といった損害は、慰謝料とは別に請求することができます。
自賠責保険で補償されている慰謝料以外の損害とは以下の通りです。
慰謝料と同様に、法律で定められた支払基準の範囲内で請求することが可能です。
自賠責保険で請求できるもの
被害者がケガの治療のために入院、通院を行うことになるので、入通院慰謝料の請求が可能となります。
入通院慰謝料額の計算式は、以下の通りです。
日額4300円×治療期間
治療期間:実際に治療を行った日数を2倍にした数字と、治療開始から終了までの日数のうち少ない方を採用
※支払基準改正の関係から、2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合は日額4200円とする
診断書の診断日欄に治癒日が記載されているなら治癒日が治療終了の対象日となります。
診断日欄が「見込み、継続、転医、中止」と記載されている場合は、治療最終日から7日加算した日を治療終了の対象日としてください。
また、治癒日が治療最終日から8日以上経過した日なら、治療最終日から7日加算した日を治療終了の対象日とします。
具体例として、2020年4月1日以降に発生した交通事故であり、治療を行った日数が40日、治療開始から終了までの日数が70日のケースにおける入通院慰謝料額は以下の通りです。
治療日数:40日×2=80日
治療開始から終了まで:70日(採用)
4300円×70=30万1000円
ただし、入院慰謝料には支払限度額が存在します。
具体的には、慰謝料を含めた下記の損害を合計した金額が120万円となるまでしか請求することができません。
※2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合は1日5700円とする
有給休暇を使用して治療を行った日数を含む
入院期間や通院期間が長引くと基本的に入通院慰謝料以外の損害額も高額となるので、慰謝料請求を行っても支払額が限度額に引っかかる恐れがあります。
限度額以上の支払いを受けたい場合には、加害者への請求が必要です。
被害者のケガが完治する前にこれ以上は治療の効果が望めないという症状固定の状態になったと医師に判断された場合には、後遺症が残ることになります。
後遺症の症状が後遺障害に認定すると判断された場合には、後遺障害慰謝料や逸失利益の請求が可能となるのです。
後遺障害慰謝料額については、障害の程度に応じて認定される等級により以下にのように異なります。
等級 | 慰謝料額* |
---|---|
1級・要介護 | 1650万円 (1600万円) |
2級・要介護 | 1203万円 (1163万円) |
1級 | 1150万円 (1100万円) |
2級 | 998万円 (958万円) |
3級 | 861万円 (829万円) |
4級 | 737万円 (712万円) |
5級 | 618万円 (599万円) |
6級 | 512万円 (498万円) |
7級 | 419万円 (409万円) |
8級 | 331万円 (324万円) |
9級 | 249万円 (245万円) |
10級 | 190万円 (187万円) |
11級 | 136万円 (135万円) |
12級 | 94万円 (93万円) |
13級 | 57万円 (57万円) |
14級 | 32万円 (32万円) |
※()内の数字は、2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合に適用
逸失利益とは、後遺障害により以前のように働けなくなったために将来発生する収入が減少したという不利益をいいます。
具体的な計算方法は、現在働いている就労者と、年齢が原因で働いていない未就労者により異なり、具体的には以下の通りです。
就労者の逸失利益
基礎収入×労働能力喪失率×労働能力喪失期間の年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数
若年の未就労者の逸失利益計算式
基礎収入×労働能力喪失率×(労働能力喪失期間の終期までの年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応する中間利息控除に関するライプニッツ係数)
具体的に計算を行いたい方は『後遺障害逸失利益|計算方法と適正に獲得するコツをわかりやすく紹介』の記事を確認してください。
ただし、後遺障害慰謝料と逸失利益の合計額については、後遺障害の等級に応じて以下のような限度額が設定されています。
等級 | 限度額 |
---|---|
1級・要介護 | 4000万円 |
2級・要介護 | 3000万円 |
1級 | 3000万円 |
2級 | 2590万円 |
3級 | 2219万円 |
4級 | 1889万円 |
5級 | 1574万円 |
6級 | 1296万円 |
7級 | 1051万円 |
8級 | 819万円 |
9級 | 616万円 |
10級 | 461万円 |
11級 | 331万円 |
12級 | 224万円 |
13級 | 139万円 |
14級 | 75万円 |
交通事故により被害者が死亡した場合には、死亡慰謝料の請求が可能です。
死亡慰謝料は被害者本人に認められているものと、被害者の遺族自身に認められているものの2種類があります。
被害者 | 400万円 (350万円) |
遺族 | |
1人 | 550万円 |
2人 | 650万円 |
3人以上 | 750万円 |
※()内の数字は、2020年3月31日以前に発生した交通事故の場合に適用
被害者に扶養者がいる場合には、遺族の慰謝料額に200万円を加算
被害者本人の慰謝料については、被害者の相続人となった家族が請求権者となります。
遺族とは、被害者の父母(養父母を含む)、配偶者及び子(養子、認知した子及び胎児を含む)のことです。
被害者が死亡したことにより将来被害者が得られるはずの収入が得られなくなるという不利益が発生するため、逸失利益の請求が可能となります。
被害者が死亡した場合の逸失利益の計算方法は以下の通りです。
事故の時点で働いていた就労者の計算方法
基礎収入×(1-生活費控除率)×就労可能期間の年数に対応するライプニッツ係数
事故の時点で働いていないかった若年の未就労者の計算方法
基礎収入×(1-生活費控除率)×(就労可能期間の終期までの年数に対応するライプニッツ係数-就労開始年齢までの年数に対応するライプニッツ係数)
葬儀費とは、以下の費用をいいます。
実際に支払った分を請求してください。
ただし、100万円が限度額です。
また、死亡慰謝料、逸失利益、葬儀費を合計した金額は3000万円が限度額となります。
慰謝料を含む請求可能な金額は、交通事故発生の原因に被害者の過失がある場合に減額となることがあるのです。
通常、被害者の過失割合に応じて、被害者が請求できる金額が過失相殺により減少しますが、自賠責保険による請求の場合には、被害者に重大な過失が認められる場合にのみ一定の減額がなされるにとどまります。
減額となる過失の程度と減額の程度は以下の通りです。
被害者の過失 | 後遺障害/死亡 | 傷害 |
---|---|---|
7割~8割未満 | 2割減額 | 2割減額 |
8割~9割未満 | 3割減額 | 2割減額 |
9割~10割未満 | 5割減額 | 2割減額 |
※傷害(ケガが完治した場合)に関して請求できる金額がそもそも20万円未満の場合は減額の対象とはならない
減額により20万円以下となる場合には20万円とする
過失割合について詳しく知りたい方は『交通事故の過失割合でなぜもめる?理由と対策・対処法を知れば安心!』の記事を確認してください。
慰謝料の金額について
自賠責保険を利用した慰謝料や損害の請求方法は複数存在します。
どのような場面で、どのような方法により支払いを受けることが適切なのかについて解説しているので、慰謝料や損害の請求を検討している方は確認してください。
被害者が請求できる慰謝料や損害については、基本的に加害者との示談交渉によって金額を決定し、示談により決められた金額の支払いを受けることになります。
被害者は、示談金として既に自賠責保険分を含めた支払いを受けているので、自賠責保険に対して請求することはできません。
示談交渉により支払われた金額が自賠責保険で補償される金額を下回っているなら被害者も請求ができますが、一般的にそのような事態にはならないでしょう。
したがって、示談交渉により加害者から示談金の支払いを得た場合には、被害者は自賠責保険から支払いを受けることは基本的にありません。
示談交渉により相場額の示談金を得る方法については、『交通事故の示談金とは?相場金額・請求の流れとポイントまでわかる』の記事を確認してください。
また、相場の慰謝料や逸失利益の金額は自動計算機により確認可能です。
上記で説明した通り、示談金により加害者から支払いを受ければ、わざわざ被害者から自賠責保険に対して請求する必要はありません。
しかし、なかなか示談金が得られないため、自賠責保険で補償されている範囲でいいので支払いを受けたい場合には、被害者が自賠責保険に対する請求を行う必要があるでしょう。
被害者による請求のため、被害者請求といいます。
入通院治療をするための費用負担が大きく、家計が苦しくなっているといったケースでは、被害者請求を行うべきです。
加害者が加入している自賠責保険会社に対して必要書類を提出し、被害者請求を行うことが可能です。
加害者が加入している自賠責保険会社については、交通事故証明書に記載されています。
被害者請求を行うと、およそ1ヶ月程度で損害額の調査が行われ、調査の結果判明した損害額について支払いがなされるでしょう。
被害者請求の具体的な方法や注意すべきポイントについては『交通事故で被害者請求はすべき?手続きの方法や必要書類、限度額もわかる』の記事を確認してください。
また、被害者請求による支払いを待つことも難しい場合には、仮渡金制度を利用しましょう。
ケガの程度に応じて、請求から1週間程度で40万、20万、5万円のいずれかの金額について支払いを受けることが可能です。
被害者請求や仮渡金制度でお金を得たのであれば、得られた金額を差し引いた金額が示談金となります。
被害者請求 | 仮渡金制度 | |
---|---|---|
金額 | 調査により判明した金額 (限度額あり) | 40万、20万、5万円 (傷害の程度による) |
期間 | 請求から1ヶ月程度 | 請求から1週間程度 |
自賠責保険から支払いを受ける方法
自賠責保険には限度額が存在するために、相場額の支払いを得ることは困難です。
そのため、基本的に自賠責保険に請求しても加害者に対する請求が必要になるでしょう。
しかし、加害者から相場の金額の支払いを得るには、弁護士に依頼することが欠かせません。
もっとも、弁護士費用を気にするあまり弁護士への依頼をためらう人が多いのではないでしょうか。
弁護士に依頼する具体的なメリットや、弁護士費用を少しでも安くする方法について解説しているので、弁護士への依頼を検討している方は参考にしてください。
基本的に、被害者は示談金により加害者から慰謝料や損害の支払いを受けます。
そのため、示談金とは、被害者が請求できる慰謝料や損害賠償金額の合計額になるのです。
慰謝料や損害賠償金額を計算する方法は、請求の対象や請求の方法により異なり、具体的には以下の3つとなります。
自賠責基準
自賠責保険会社に請求した場合に、自賠責保険会社が支払う金額を算出するための基準
任意保険基準
任意保険会社が被害者に支払うと提案する金額を算出する際に利用する任意保険会社独自の基準
裁判基準
裁判において裁判所が慰謝料や損害額を算出するために利用する基準
弁護士が請求する場合にも利用するため弁護士基準とも呼ばれる
裁判により得られる金額こそ、本来得られるべき適正な金額といえるため、裁判基準により算出される金額が相場額といえるでしょう。
自賠責基準は、被害者請求を行った場合に利用される基準です。
交通事故被害者に最低限の補償を行うという目的から、算出される金額は相場額と比較すると低額になります。
そして、示談交渉の際は、加害者の多くが任意保険に加入しているので、任意保険会社の担当者が任意保険基準で計算した金額を支払うと提案してくるでしょう。
しかし、任意保険会社は加害者側であり、少しでも保険金として自分自身が負担する金額を下げたいと考えています。
そのため、提案額は自賠責基準よりは多少高額となるものの、相場額より低くなることが大半でしょう。
示談金を支払った加害者は自賠責保険に対して自賠責基準で算出される金額を支払うよう請求できるので、自賠責基準と変わらない金額で示談すれば実際に負担する部分が少なく済むためです。
そのため、納得のいく相場額を得るためには、被害者側からの増額交渉が必要となるでしょう。
相場額については、通称、赤い本と呼ばれている民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準で確認できます。
示談における増額交渉の相手方は、加害者の多くが任意保険に加入していることから、任意保険会社の担当者になります。
担当者は示談交渉の経験が豊富であり、法律知識が十分ではない人が増額交渉を行ってもうまくいかないことが多く、相場額までの増額に成功することは非常に難しいでしょう。
しかし、弁護士が増額交渉を行うと、担当者の多くは相場に近い金額までの増額に応じてくれます。
なぜなら、弁護士との示談交渉が決裂すれば裁判となり、裁判では裁判基準により算出された相場額の支払いを行うという内容の判決がなされる可能性が高いためです。
裁判により相場額を支払うことになるなら、示談交渉で増額を認めて終わらせたいと考え、増額交渉に応じてくれます。
そのため、示談交渉において相場額の支払いを得たいのであれば弁護士に依頼しましょう。
特に、相場額が高額であるほど担当者からの提案額との差がひらきやすい傾向にあるので、弁護士に依頼することで大幅な増額となる可能性が高いといえます。
被害者が死亡した、または、重大な後遺症が生じているといった事情がある場合には、弁護士に依頼する必要性が高いでしょう。
弁護士に依頼すれば、示談交渉以外にも、本来被害者自身で行うべき請求について弁護士に手伝ってもらうことが可能です。
例えば、示談交渉が長引いているため被害者請求を行う場合には、被害者請求を行うために集めるべき書類の収集を弁護士に手伝ってもらうことが可能です。
適正な金額を請求するために必要な証拠の内容や収集方法について、弁護士からアドバイスを受けることができます。
そのため、被害者自身で行うよりも迅速かつ適切に請求が可能となるでしょう。
特に、後遺障害等級認定については、認定される等級に応じて請求できる金額が大きく異なってくるので、認定申請における対応が重要になります。
後遺症が残っている被害者が妥当な金額を得たいのであれば、弁護士に依頼すべきでしょう。
弁護士に依頼する際に最も気になるデメリットが、弁護士に支払うことになる費用がいくらになるのかということでしょう。
弁護士費用が気になる方は、弁護士費用特約が利用できないかどうかを確認してください。
弁護士費用特約が利用できるのであれば、基本的に弁護士へ支払う相談料は10万円、報酬は300万円を上限として保険会社が負担してくれます。
被害者自身の負担が非常に軽くなるため、弁護士に依頼すべきでしょう。
依頼する前に相談を行えば、請求可能な金額や、実際にかかる費用の見込みを教えてもらえるので、そのお話しを聞いたうえで信頼できるのであれば依頼することをおすすめします。
弁護士に依頼するなら、交通事故事件の経験が豊富な弁護士に依頼しましょう。
過去に経験した交通事故事件を勘案し、最も適切な手続きを行ってくれる可能性が高いといえるためです。
アトム法律事務所は交通事故事件を今まで多く取り扱っているため、交通事故事件の経験が豊富な弁護士に依頼することができます。
弁護士費用については、原則として依頼の時点ではいただかず、増額に成功した場合のみとしているので、初期費用を気にせず依頼することが可能です。
無料の法律相談を行っているので、お気軽にご相談の上、事件の見込みや弁護士費用についてご確認ください。
法律相談の連絡は電話だけでなく、メールやLINEでも24時間可能です。
出張相談や郵送による契約にも対応しているので、病院や自宅から出ることが困難な方でも相談や契約ができます。
弁護士に依頼するメリットについて
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了