交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
交通事故を原因として受領した慰謝料を含む損害賠償金は、原則として非課税です。そのため、治療費、休業損害、逸失利益、慰謝料、物損などへの補償を相手方から受けた場合でも、確定申告する必要はありません。
しかし、例外的に課税される場合もあります。どのような時に課税されることになるのでしょうか。
この記事では、交通事故の慰謝料と税金について解説します。
目次
交通事故の被害者として相手方から慰謝料などの損害賠償金を受け取ると、資産の増加に対して課税されるのではないかと疑問に感じることがあるかもしれません。
しかし、交通事故による損害に起因して取得する保険金及び損害賠償金については、所得税が課されません(所得税法9条17号、同法施行令30条各号)。
このように、交通事故を原因とする損害賠償金が原則として非課税なのはなぜなのでしょうか?
交通事故における損害賠償の法的根拠は、民法709条に基づく不法行為責任です。不法行為とは、故意又は過失によって他人の権利等を侵害し、これによって他人に損害を生じさせる行為です。加害者は、財産的損害のほか精神的損害を賠償しなければなりません(民法710条、民法711条)。自動車損害賠償保障法3条にも同じ趣旨の規定が置かれています。
これら法律の目的は、被害者に生じた財産的精神的損害を補てんすることにあります。
たとえば、慰謝料であれば、交通事故がなければ生じなかった精神的損害に対する慰謝料が支払われてはじめて、交通事故前の状態に回復することになります。
したがって、慰謝料には経済的利益が生じているわけではなく、むしろ課税した場合には、精神的損害の補てんが不十分となってしまいます。
そのため、交通事故に伴う損害賠償金については、治療費など、慰謝料以外のものについても原則として非課税となっているのです。
交通事故によって生じたマイナスをゼロまで戻すのが損害賠償の趣旨です。
ということは、生じたマイナス以上にプラスが生じた場合などにおいては課税の余地が生じます。
被害者が負った身体的損害に対しては慰謝料が請求できるのですが、怪我の程度などに応じて慰謝料はおおよその相場が決まっています。加害者の中には、たいへん大きな責任を感じ、相場を大きく超えた高額な見舞金をお詫びとして支払う人がいます。
見舞金を受け取ることには何の問題もありませんが、明らかに高額過ぎる慰謝料に対しては、相場を超えた部分について課税対象になる可能性があります。
たとえば、商品を積載した配送トラックの運転中に交通事故にあい、使い物にならなくなった商品があったとします。使い物にならなくなった商品という損害に対して損害賠償金を受け取ったケースでは、非課税とはなりません。
このような損害に対する損害賠償金は、商品によって得られたはずの収入金額に代わる性質を持つもので、事業所得の収入金額として申告しなければなりません。
非課税となる見舞金は、社会通念上それにふさわしい金額のものに限られます。
他方、収入金額や賃金に代わる性質を持つものや、役務の対価の性質を持つものは、非課税所得とはなりません。
加害者側から支払われる休業損害だけでは補償しきれない金額を、被害者の勤務先が見舞金として支払ってくれる場合がこれにあたり、収入と同様の性質を持つものとして課税対象となり得ます。
示談を締結して損害賠償金額が確定した後、示談金を受け取る前に被害者が亡くなってしまった場合には、相続人が損害賠償請求債権を相続します。その相続人が金銭債権を行使して示談金を受け取った場合、示談金には相続税がかかります。
交通事故に起因する損害賠償には多くの項目があり、ここまでにあげた以外にも課税対象となり得るものがあります。
また、示談交渉において、判例に基づく弁護士基準により高い水準の損害賠償金を効率よく得られるようにするためにも、弁護士に依頼することには多くの利点があります。
交通事故の案件を扱う弁護士は、獲得した損害賠償金が課税されるのか非課税かも熟知していますし、税務面でのアドバイスも得られるでしょう。
まず、少なくとも過去に交通事故の案件を取り扱った経験のある弁護士がよいでしょう。
保険制度や後遺障害障害等級に関することなど、交通事故特有の専門知識が必要となり、それがそのまま強みとなるからです。
交通事故を専門的に取り扱っている弁護士をおすすめします。
弁護士に依頼するにあたり、自分と弁護士との相性、信頼関係は非常に重要なポイントです。
依頼後の弁護士の対応は、あなたのその後の人生を大きく左右すると言っても過言ではありません。そのため、相手方との交渉の前段階で、都合が悪いことも含め、何でも話せる関係が構築できるか見極めましょう。
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交通事故による損害賠償金は原則として非課税です。
しかし、損害の回復を超えた部分や、商品代金の補てんなど、課税対象になる部分があるということは知っておく必要があるでしょう。
被害者として受け取った損害賠償金により確定申告漏れが生じないよう、弁護士や税理士等の専門家の力も借りて手続きを進めていきましょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了