交通事故|過失割合の判例7つを解説!過失割合の決まり方とトラブル対処法

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

  • これまでの交通事故の過失割合について判例を知りたい
  • 他の人の過失割合が気になる
  • 過失割合がどのように決定されるのかを知りたい

交通事故の過失割合は、警察が決めるものではなく、当事者同士の話し合いや裁判で決めていくものです。

また、過失割合は損害賠償金額を左右します。適正な過失割合で示談をしないと、被害者が損をしてしまいかねません。

この記事では、交通事故の過失割合に関する判例を紹介します。
ご自身の過失割合が適切なのかを調べていきましょう。

過失割合の判例|自動車同士のケース

センターラインを越えてきた自動車との正面衝突

事故概要

認容額1億6289万1756円
年齢19歳
性別女性
職業専門学校生(事故当時)
傷病名脳挫傷,右大腿開放性骨折,右血気胸,両膝挫創
慰後遺障害等級1級

この事故は、制限速度を上回る速度で走行していた加害者の車両が、右折時に対向車線に進行したことで、被害者の運転する車両と正面衝突しました。制限速度を守って直進していた被害者の車両に、制限速度の約2倍のスピードの加害車両が突っ込んだのです。

加害者側は被害者にも1割の過失を主張しましたが、裁判において、加害者の無謀で危険な右折進行は予測不可能であると判断し、被害者には過失がないものと認定しました。

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過失割合の判例|被害者がバイクのケース

左折自動車と直進バイクとの接触事故

事故概要

認容額9,426万610円
年齢18歳
性別男性
職業高校生(事故当時)
傷病名外傷性頸髄損傷等
後遺障害等級1級

加害者が運転する軽四貨物自動車が左折時に、被害者のバイクと衝突して起こった事故です。加害者側の左折合図が遅れたことや、側方への注意不足により被害者の発見が遅れたことで、衝突を回避できませんでした。

一方で、バイクに乗っていた被害者側にも、法定の最高速度を超えた状態で車両の左側を進行しようとしたことで、一定の過失が認められました。

こういった事情により、過失割合2:8(被害者に2割、加害者に8割)と認められました。

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交差点で自動車と左方から進行してきたバイクとの接触事故

事故概要

認容額1,929万5,631円
年齢36歳
性別男性
職業会社員
傷病名第五頸椎破裂骨折、第二胸椎圧迫骨折
後遺障害等級10級

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となる

加害者の自動車は一時停止規制を怠り交差点を進行しようとしました。その際、加害車両の左から交差進行してきた被害者のバイクと衝突してしまったのです。

裁判を通して、事故態様や過失相殺などが争点となりましたが、被害者・加害者双方に前方にじゅうぶんな注意を払って減速すれば回避できたと判断されました。結果として、被害者側にも1割の過失が認められ、過失割合は1:9となったのです。

過失1割の交通事故で、脊柱障害を負ったときの判例

施設に入るために右折した自動車とバイクの衝突事故

事故概要

認容額6,482万9,965円
年齢21歳
性別男性
職業大学生
傷病名脳挫傷、外傷性くも膜下出血、右大腿骨開放骨折
後遺障害等級7級

加害者の車両は道路を走行中に、路外施設へ入るために右折をしようとしました。その際、対向車線を走行していた被害者の大型バイクと衝突したのです。このとき、被害者の大型バイクは時速約95kmとなっており、制限速度を超えていました。

裁判の結果、被害者側が制限速度を守る義務、前方の安全を確認して走行するべき義務を怠ったことが過失とされ、2割の過失が付いたのです。その結果、過失割合2:8(被害者に2割、加害者に8割)と認められました。

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過失割合の判例|被害者が自転車のケース

青色信号に従って横断中の自転車とバイクの衝突事故

事故概要

認容額3,375万3,046円
年齢39歳
性別男性
職業会社員
傷病名第12胸椎圧迫骨折、左下顎骨関節突起骨折、下顎頤部骨折
後遺障害等級9級

※その他、既払い額や損益相殺がなされ、判決認容額となる

この事故は、交差点の青色信号に従って横断歩道を渡っていた自転車に対して、黄色信号を無視して直進してきたバイクが衝突した事故です。

加害者側は信号が黄色であると認識していたものの、横断歩道の安全確認を怠り、そのまま無視して走行を続けた結果起こりました。

なお、過失割合に関する争いはありませんでした。

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過失割合の判例|被害者が歩行者のケース

横断歩行中の被害者と自動車との衝突事故

事故概要

認容額5,375万6,909円
年齢80歳
性別男性
職業医院内の日常清掃業務
傷病名外傷性くも膜下出血、脳挫傷、外傷性脳内出血、全身打撲、顔面口腔内挫創等
後遺障害等級1級

被害者が横断歩行を渡っていたところ、交差点を右折しようという加害車両に衝突されました。

加害者側に著しい前方不注視があったとされ、被害者には一切の過失がないものと判断されました。なお、被害者は事故当時79歳と高齢だったため、万一、横断歩道の外側を横断していた場合でも、過失割合には影響しないとも認められたのです。

被害者の年齢も、過失割合を検討する一つの材料といえます。

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信号待ちの歩行者と自動車の衝突事故

事故概要

認容額2,234万1,127円
年齢18歳
性別女性
職業学生
傷病名右股関節開放性脱臼、恥骨結合離開、右仙腸関節脱臼、骨盤骨折、肛門裂創、臀部裂創、眼球打撲、眼球運動障害、PTSD
後遺障害等級11級

被害者は、交通ルールに従って信号を待ちをしていました。
そこで、加害者が運転する自動車が衝突したのです。

こういった事故形態は、加害者側の過失のみで、とくに争われることはないでしょう。過失割合0:100(加害者が一方的に悪い)と判断されます。

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交通事故の過失割合は判例がすべてではない

過失割合でもめる理由

加害者側の保険会社から過失割合の提示を受けたら、被害者はその過失割合が適切かを判断しましょう。

過失割合は当事者同士の合意により決められます。です。つまり、判例通りでなければ示談できないというものではありません。

過失割合は、事故被害者が受けとる金額を左右します。被害者は、過失がついた分だけ、賠償金が減ってしまうのです。そして、加害者側も同様で、少しでも過失を減らすことで、自身の支払額を下げようとしてくるため、もめてしまいます。

あるいは、明確な正解がないことも、過失割合でもめてしまう理由のひとつです。もめない対策や、もめてしまってからの対処法をおさえておきましょう。

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適正な過失割合の認定は交渉しだい

過失割合は、判例がすべてではありません。
判例を元に個別の事情を反映して、最終的に、示談であれば当事者同士が決め、裁判であれば裁判官が判断します。

いずれにせよ、交渉力が試されるのです。

もし弁護士に依頼をすれば、被害者の主張する過失割合が適正であることを主張します。このとき、客観的な事実をもって主張するには、事故に関する資料はもちろん、防犯カメラの映像や、目撃者の証言などを再確認していく流れです。

相手方と過失割合でもめているなら、交渉の専門家である弁護士に依頼をしましょう。過失割合の認定はもちろん、慰謝料の増額や後遺障害認定のサポートなど、被害者のお困りごとに合わせたサポートが受けられます。

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監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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