交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
バイク事故では身体がむき出しになっていることから、ケガが重症化しやすい傾向にあります。
また、ケガを負った被害者は後遺障害が残ってしまったり、死亡したりといったケースも珍しくありません。
当記事では、バイクで事故にあった被害者に向け、請求が必要になるであろう費用項目に焦点を当てて解説しています。
特に、バイク事故で請求できる慰謝料額においては、示談交渉の内容が非常に重要になってきます。
納得の解決を目指し、ぜひ記事を最後までお読みください。
目次
バイク事故で示談交渉をすることになった被害者の方に、知っていただきたい大事なポイントは以下の3つです。
示談とは、お互いが譲歩し、話し合いによって事件を解決することをいいます。
法律では民法695条の「和解」にあたりますが、法律上で規定されているからといって、形式が重要なのではありません。形式上は、口頭でも成立しえます。
示談は、双方の合意だけが成立要件となっているのです。
よって、どのような形式であっても、一度合意してしまえば原則やり直しはできません。
とはいっても、示談成立後、言った言わないの水掛け論にならないよう、通常は書面で示談締結の証明書を作成します。
この証明書を「示談書」と呼んでいます。
示談交渉の相手方が相手側任意保険である場合は、示談書とおなじ効力をもつ「免責証書」が作成されることが多いです。
バイク事故の示談について検索していると、「慰謝料は弁護士に依頼したら増額する」とった内容の記事を見つけた方は多いのではないでしょうか。
それは正解です。
なぜかというと、弁護士がもちいる計算方法「弁護士基準」によって慰謝料は増額するからです。
人身事故の示談金のうち、治療費などの実費については増額できません。
実費以上のものを請求してしまうと、まさに保険金詐欺にあたる可能性がありますので、実際にかかった治療費や、治療に要した交通費などは、基本的に実費で請求をおこないます。
しかし、精神的苦痛を金銭に換算した慰謝料については、必ずしも具体的な金額で計算できるとはかぎりません。
そこで、慰謝料については、弁護士基準を含めた以下の計算基準によって金額に変動があります。
基準 | 慰謝料の内容 |
---|---|
自賠責基準 | 被害者救済を目的とした自賠責保険の最低基準で慰謝料が計算される。 |
任意保険基準 | 任意保険が独自で設定している基準で非公開。自賠責基準と大差ない。 |
弁護士基準 | 過去の判例をもとに公開されている基準。裁判でも使う基準で慰謝料は最も高額となる。 |
上記表により、弁護士や裁判所がもちいる弁護士基準が、最も高額で計算される基準といえます。
弁護士基準で慰謝料を請求するには、弁護士依頼がシンプルかつスムーズです。
被害者が個人で保険会社を相手取っても、弁護士基準をもちいることは可能ですが、慰謝料はかならずしも単純計算で請求できるものではありません。
困ったときは迷わず弁護士相談を利用しましょう。
バイク事故により、後遺症が残ってしまったら後遺障害等級認定申請をおこないます。
後遺障害とは1~14までの等級別に、状態が分類されているものです。
また、適切な後遺障害等級が認定されるには、正確な申請が欠かせません。
この申請作業を誤ってしまうと適切な等級が認定されず、結論的には慰謝料が低額になってしまうのです。
なお、後遺障害等級認定申請については目次「バイク事故の後遺症と後遺障害等級認定申請」で後述します。
バイク事故の被害者の方は、まずご自身がどの種類の慰謝料を請求することができるのかを知っておかなければなりません。
被害者が、バイク事故で請求しうる慰謝料には3種類あります。
慰謝料の名称 | 内容 |
---|---|
入通院慰謝料(傷害慰謝料) | ケガの治療で入院や通院をすることになった場合、その苦痛に対して請求できる |
後遺障害慰謝料 | 後遺障害等級が認定された場合に後遺障害が残ったことに対する苦痛について請求できる |
死亡慰謝料 | 事故によって死亡したことに対し請求できる |
先ほどお話しした慰謝料は、請求するタイミングも大事です。
まず、入通院慰謝料は入院や通院が終了し、その期間が確定していなければ金額を計算することはできません。
よって、相手方任意保険に治療費を打ち切られそうになっても、治療が必要な期間はしっかりと療養してください。
その後、医師の診断をもとに、正確な入通院慰謝料を計算しましょう。
後遺障害等級に該当しない、つまり事故による後遺症がない場合は、治療が終われば示談交渉期間に入ります。
その時点で慰謝料請求をおこないましょう。
後遺障害慰謝料は、後遺障害等級が認定された時点で確定します。
確定した時点で請求が可能です。
死亡慰謝料についても、死亡した時点で計算が可能です。
請求のタイミングとしては、四十九日が終わり、状況がすこし落ち着いてからでも問題ありません。
つづいて、肝心な慰謝料の金額について解説していきます。
慰謝料額が、3つの算定基準によって変動することについてはお話ししました。
以下に、3つの基準で計算した具体的な金額を表示します。
なお、ご自分の慰謝料をすぐに知りたい方は以下の自動計算器をご活用ください。
自賠責基準で慰謝料を計算する場合の算定式は以下です。
上記2つのうち、すくない方を採用します。
なお、2020年3月31日以前に起きた事故については日額4200円で計算します。
任意保険基準は、「旧任意保険基準」といわれるものを採用していますが、実際のところ自賠責基準とそう変わらない金額で提示してくることが多いです。
よって、ここでは割愛します。
つづいて弁護士基準です。
弁護士基準は2つの表をもちいます。1つはむち打ちや他覚症状のない場合、もう1つは、骨折などの重傷である場合によって使い分けています。
以下は、重傷パターンです。
たとえば通院期間150日のうち、入院が30日、実通院日数が50日だった場合は、弁護士基準ですと以下で算出されます。
150-30=120日(通院期間)
1か月は30日で計算されるため、上記表の入院期間1月と通院期間4月が交差している130万円が慰謝料金額となります。
先述の自賠責基準で計算すると以下になります。
[30日+ (50日 × 2)]× 4300円と[治療期間150日]× 4300円のすくない方は、55万9000円です。
結果、同じ条件で慰謝料がもらえるのにもかかわらず、弁護士基準と自賠責基準では74万1000円もの差が出る結果となりました。
入通院慰謝料と同じように、弁護士基準と自賠責基準とで比較してみましょう。
等級 | 自賠責* | 弁護士 |
---|---|---|
1級・要介護 | 1,650 (1,600) | 2,800 |
2級・要介護 | 1,203 (1,163) | 2,370 |
1級 | 1,150 (1,100) | 2,800 |
2級 | 998 (958) | 2,370 |
3級 | 861 (829) | 1,990 |
4級 | 737 (712) | 1,670 |
5級 | 618 (599) | 1,400 |
6級 | 512 (498) | 1,180 |
7級 | 419 (409) | 1,000 |
8級 | 331 (324) | 830 |
9級 | 249 (245) | 690 |
10級 | 190 (187) | 550 |
11級 | 136 (135) | 420 |
12級 | 94 (93) | 290 |
13級 | 57 (57) | 180 |
14級 | 32 (32) | 110 |
こちらでも、任意保険基準は推定でしか出せないため割愛します。
たとえばもらい事故で多くの人が訴えるむち打ち症は、後遺障害14級に該当することがあります。
14級同士で比較すると弁護士基準と自賠責基準では、78万円の差が出るのです。
バイク事故で後遺症が残ったら、後遺障害等級認定の申請をしましょう。
後遺障害等級認定申請は、症状固定後におこないます。
症状固定の時期を見極めるのは、保険会社ではなく医師です。
医師から後遺障害診断書を記載してもらったら、それをもとに申請ができるのです。
等級認定申請には、以下2種類あります。
事前認定とは、相手方任意保険会社が申請の手続きをおこなうものです。
わずらわしい手続きを一任できるのはメリットといえますが、慎重に有益な資料の収集をしてくれない可能性が高いです。
後遺障害等級認定申請では、レントゲン画像などの検査結果を、自賠責損害調査事務所という第三者機関に送付します。
この作業を任意保険に任せてしまうと、最低限の資料しか送ってもらえない可能性が高いのです。
被害者請求とは、加害者加入の自賠責保険に対し、被害者本人がおこなうことをいいます。
一切の手続きをご自身でする必要がありますが、そのぶん有益な資料の収集が可能でしょう。
しかし、右も左もわからない被害者が、ご自身で手続きをすることは難しいといえます。
なぜなら、後遺障害等級が認められるレベルの医学的資料を入手する作業が絡んでくるからです。
被害者請求を選択する場合は、医学的知見からも後遺障害等級認定について検討可能な弁護士に相談しましょう。
バイク事故でよく見られる後遺症についてまとめてみましょう。
バイクに乗っていた際のケガ・後遺症は、車で負傷した場合と比較し、重症化が想定されます。
可動域が制限されるような後遺症をともなったり、身体を強く打ち付けたりするケースが目立つでしょう。
高次脳機能障害とは、ケガなどによって脳が損傷し、日常生活に支障をきたすものをいいます。
たとえば物忘れが目立ったり、注意散漫になったりします。
穏やかだった人が狂暴的になることもあり、人格さえ変えてしまう障害です。
診断としては、MRIやCTで異常を調べたり、脳波をとったりします。
後遺障害等級認定申請では、どの程度日常生活に支障をきたしているのかを正確に記載する必要があります。
バイク事故で上肢や下肢を損傷すると、可動域が制限されることがあります。
可動域とは、該当の部位がどの程度動かせるかどうかを測定し、数値化したものです。
上肢とは肩から手までをさし、3大関節である、ひじ・肩・手首が損傷すると、上肢の機能障害が認定される可能性があります。
関節可動域が制限される程度により、認定される等級も変わりますが、こちらにおいても有効な診断結果を提出する必要があります。
下肢とは、股・ひざの関節、足関節や足の手指までです。
上肢と同じように、後遺障害等級認定申請においては、可動域の制限や他の障害について主張していくことになるでしょう。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了