死亡慰謝料の基準は?

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死亡慰謝料の基準

新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

突然の交通事故で家族を失った場合、死亡慰謝料をはじめとして、遺族へ適正な補償がされなければなりません。

死亡慰謝料の基準について調査してみました。

死亡の慰謝料の基準は!?

慰謝料には基準がないってよく聞きますけど、交通事故の場合はどうなんですか?

交通事故では、被害者の立場に応じた一般的な慰謝料の基準はあるよ。毎年死亡事故は多く発生しているから、事故ごとに賠償額がバラバラにならないようにって趣旨だろうね。

遺族からすると、一般的基準で計算されるのは納得できないことも多そうですね。

突然の病院からの訃報。家族を交通事故で失うと、絶望するほどの悲しみにさいなまれると思います。とくに、被害者から扶養されていた家族にとっては、事故が原因で経済的にも厳しくなります。

そのような遺族の精神的・経済的な負担を考慮して、被害者の家庭での立場に応じて慰謝料の基準が定められています。

死亡事故という悲惨な場面でも、遺族に対して、保険会社は死亡慰謝料の基準を大きく下回る金額しか提示してくれないみたいです。弁護士を入れれば、ようやく死亡慰謝料を大幅に増額して、基準に近い金額まで払ってくれるとのことです。

<死亡慰謝料の基準まとめ>

  死亡慰謝料の基準(万円) 任意保険基準からのアップ幅(万円)
一家の支柱

2800

+1100

母親・配偶者

2400

+1000

その他

2000~2200

+750

過去の裁判例では死亡慰謝料はどういう基準で認められている!?

慰謝料に計算方法がないってことは、裁判官は独自に金額を決めてるってことですか!?

裁判官は一般的基準を参考にしながら、事故態様や被害者の家庭での立場、加害者の事故後の態度などを考慮して、妥当な金額を認めているよ。

いかに裁判官に遺族の辛い気持ちを理解してもらえるかが大切ですね。

一般的な死亡慰謝料の基準は、あくまでスタンダードにすぎません。実際の裁判例では、被害者の職業や家庭での重要度、扶養家族の種類などを考慮して、一般的基準よりも増額して認めるケースも少なくないそうです。

また、加害者や保険会社が、遺族感情を逆なでする主張や態度をみせたり、謝罪に応じなかったりした場合にも慰謝料の増額理由になるとのことです。

裁判官は個別事例に応じて、柔軟に慰謝料の金額を調整して、合理的な金額の賠償を認める傾向にあるらしいです。

遺族だけでは、増額する具体的理由まで主張するのは難しいので、弁護士さんに依頼して、できるだけ慰謝料が高くなるような個別事情を主張してもらうべきですね。うまくいけば、基準より大幅に高い慰謝料が認められることもあるってことです。

<裁判例での死亡慰謝料の基準の認定例>
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死亡事故での弁護のメリットは!?

交通事故で家族が死んだりしたら、もうお金の問題では解決できないです。早く事故処理を終わらせて平穏な生活に戻るほうを優先します!

ちょっと待って!死亡事故の賠償は、将来の遺族の生活保障の機能を果たすんだよ。簡単に保険会社のいいなりで示談するのは、遺族の将来にとって良くないよ。

亡くなった被害者のためにも、残された遺族は適正な賠償を受けなければならないんですね。

死亡事故を弁護士に依頼すべき理由としては、死亡慰謝料が大幅にアップする以外にもあります。

加害者や保険会社との交渉を全て弁護士が担ってくれるので、遺族が心理的負担から解放される点は見過ごせません。

また、死亡事故で慰謝料と並ぶ損害項目の逸失利益の賠償額も大きくアップする点も大きなメリットです。こちらに過失がある死亡事故では、元の金額が大きい分、過失割合の交渉はとても大切だけど、弁護士に依頼すれば交渉を有利に進めてくれるはずです。

死亡事故の示談交渉を弁護士に任せることで、最終的に満足できる賠償がもらえると、今後の新生活の準備にも専念できそうです。

(まとめ表)

死亡慰謝料の基準アップ以外での弁護士のメリット

交渉の心理的負担 弁護士が交渉を引き受けるため心理的負担から解放される
逸失利益の基準アップ 死亡により収入が喪失ことによる逸失利益の基準が大幅にアップ
新生活の準備 示談交渉を弁護士に任せ、新生活に向けて専念できる
法的な主張 こちら側に過失があっても、法的な主張をして過失割合の交渉を有利に進められる
紛争解決への満足感 慰謝料基準を回収できるため、満足感あり

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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