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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
後遺障害認定の審査期間が長く感じられると、何か不備があったのかと不安になってしまいます。後遺症に苦しみながら待つ時間は、通常よりも長く感じてしまうこともあるでしょう。
結論から言いますと、後遺障害申請から認定までは2ヶ月間程度かかると考えてください。重篤な後遺症であるほど、審査にさらに時間がかかります。
この記事を読めば、審査結果を早める方法、適切な後遺障害認定結果を得るためのポイントや、後遺障害認定結果への異議申立ての方法がわかります。
目次
後遺障害申請から認定までの期間は、約2ヶ月を目安にしましょう。
次のグラフは、の自賠責損害調査事務所における損害調査所要日数の結果です。
最も多いのは調査日数が30日以内の場合、次いで31~60日程度かかる場合となっています。つまり、多くのケースで60日以内に後遺障害認定の審査結果が出るということになります。
しかし、すべての後遺障害等級において共通するわけではありません。
被害者が多数の後遺症を負っていて複数の後遺障害等級の審査が必要な場合や、高次脳機能障害については等級認定結果が出るまでに時間がかかる傾向にあります。
後遺障害申請の認定期間が長引く理由には、次のようなことがあげられます。
認定期間が長い理由
後遺障害の審査にかかる期間には個人差があります。認定期間の目安は2ヶ月ですが、あくまで目安に過ぎません。
こういった理由で、審査が長期化している場合があります。
まずは、加害者側の保険会社に確認をとってみましょう。保険会社内で申請が止まっていることもありえます。適切に申請処理を進めるように再依頼してください。
問い合わせる保険会社は、後遺障害認定の申請方法によって異なります。
申請方法 | 問い合わせる保険会社 |
---|---|
事前認定 | 加害者側の任意保険会社 |
被害者請求 | 加害者側の自賠責保険会社 |
なぜ申請方法によって問い合わせ先が異なるのかは後述します。
交通事故案件を多く取り扱う弁護士からサポートを受けることも有効です。
まず、書類の不備が発生するリスクは限りなく減らせるでしょう。被害者自身で書類をすべて集めることは、想像以上に苦労するものです。書式も見慣れないものが多いため、一つの書類を作成するのにも時間がかかることでしょう。
後遺障害認定のサポート実績を多く持つ弁護士からは、適切な書類の作成・記入方法についてアドバイスを受けられます。どのように記載するべきかも確認しながら作成でき、過不足のない書類作成が可能です。
損害賠償請求権には時効があります。後遺障害部分に関しては5年間で、症状固定の翌日から起算されます。2020年4月の民法改正で3年から5年に延長されており、2017年4月1日以降の事故が対象です。
なお、一部の損害賠償請求権は、時効が3年となっているので注意してください。具体的には次の請求に関する時効は3年のままです。
後遺障害認定の審査に年単位で時間がかかる可能性を考慮すると「まだまだ時間に余裕がある」と安心するにはリスクがあります。
弁護士と共に後遺障害認定の手続きを進めることで、損害賠償請求をスムーズに進めるだけでなく、必要に応じて時効の完成を阻止することも可能です。
弁護士がお手伝いできることは、被害者のお悩みや置かれている状況によって異なります。後遺障害認定サポートのお問い合わせは、LINE・電話・メールの3つの相談予約窓口で受付中です。
高次脳機能障害の等級認定は、自賠責保険審査会高次脳機能障害専門部会で審査されます。
審査は様々な資料・検査結果をもとに慎重に行われるため、2ヶ月程度では認定結果が出ないと考えておきましょう。
高次脳機能障害の後遺障害審査にあたっては次の書類を準備してください。
「日常生活状況報告」は、被害者のふるまいや言動を近くで見ているご家族による作成が望ましいです。
被害者が就労している場合、上司や同僚に職場での様子を聞いてみてください。なぜなら、仕事への影響は後遺障害等級認定において極めて重要なポイントだからです。子供の場合は、学校の先生にも協力してもらいましょう。
高次脳機能障害の等級認定について詳しく知りたい方は、関連記事『高次脳機能障害の等級認定|認定基準をわかりやすく解説』をお役立てください。
早く後遺障害認定を受けたいなら、早く後遺障害の申請をするべきだと考える人もいるでしょう。しかし、後遺障害認定をきちんと受けるには、いつ後遺障害認定の申請をするかも大切です。
事故発生から後遺障害申請までの期間は、被害者のケガの内容や部位によって変わるため、一概には言えません。
後遺障害認定に向けては、まず後遺障害申請をすることから始めます。
後遺障害申請をする時期は、医師から症状固定と判断された後になります。
症状固定とは、一般的に医学的な方法をもってしても、これ以上の改善が期待できない状態をいいます。
これ以上は治療の効果が期待できず、症状の改善が見込めない状態となること
症状固定のタイミングは個人差があるので、一概には言えないのです。
むちうちの場合は、症状固定のタイミングに注意しましょう。むちうちの場合は、6ヶ月以上の継続的な治療を受けたにもかかわらず後遺症が残ったという場合でないと、後遺障害認定を受けることは難しいでしょう。
むちうちによる神経症状で後遺障害認定を目指すならば、6ヶ月未満で治療をやめてはいけません。後遺障害認定において不利になる可能性があります。
後遺障害申請までの基本的な流れは次のとおりです。
交通事故の被害者にとって、後遺症が残ることは非常に大きな損害ですが、後遺症が残っただけでは十分な補償を受けられません。損害賠償の観点では後遺障害に認定されることが重要なので、そのためにも後遺障害申請が必要不可欠です。
後遺障害の認定は、損害保険料率算出機構の自賠責損害調査事務所が行います。まずは主治医に「後遺障害診断書」の作成を依頼しましょう。そのほかに必要な資料や手順は、後述しますので、このまま読み進めてください。
ここまでのまとめ
後遺障害認定の申請方法は、事前認定と被害者請求の2つの方法があります。
2つの申請方法のうち、後遺障害の認定期間が短くなる可能性が高いのは被害者請求です。弁護士が被害者請求を推奨する理由は、具体的な申請の進め方をみればわかります。
被害者請求とは、被害者が必要な申請書類をすべて揃えて、相手方の自賠責保険会社に提出する方法です。具体的な被害者請求の流れは以下の通りになります。
被害者請求の流れ
被害者請求の最大のメリットは、適正な後遺障害認定を受けられる可能性が高まることにあります。なぜなら、被害者自身で書類を集めるからです。等級認定を受けるために必要な検査結果や資料を吟味・検討できる点も、被害者請求ならではの魅力でしょう。
また、書類の添付忘れも防ぐことができます。必要書類がきちんとそろっていることで、審査がより円滑に進むでしょう。申請に必要な書類を集めるのは大変ですが、一度被害者の手元を離れたら円滑な進行が期待できます。
もう一つの事前認定という方法は、被害者が「後遺障害診断書」を作成してもらい、加害者側の任意保険会社に提出するだけです。被害者の負担は少ないものの、被害者の手を離れた後の工程はすべて相手方の保険会社任せとなります。
あくまで相手の保険会社ですので、被害者の利益最優先で動いてくれるわけではありません。
被害者請求の具体的な方法や支払われる限度額、事前認定との違いなどの詳細は、関連記事を参考にしてください。
理解が深まる解説記事
被害者請求で後遺障害申請をすればいいとわかっても、なかなか被害者一人では難しいものです。そこでおすすめしたいのが、弁護士への依頼です。
弁護士と共に被害者請求することで、次のような効果が期待できます。
弁護士のサポート例
相手方とのやり取りは、被害者にとってストレスフルです。相手方の保険会社から心無い言葉をかけられたり、虚偽を疑われたりと、精神的苦痛にさらされることもあるでしょう。
弁護士を立てた場合、すべての連絡窓口を弁護士に一方化します。窓口を限定すれば、相手方の保険会社と連絡を取り合う必要はありません。少しでも早く日常生活を取り戻していきましょう。
後遺障害診断書は、被害者の後遺症の状況を記録した書類です。
病院で診察を受けたとき、希望すれば「診断書」を発行してもらえますが、「診断書」と「後遺障害診断書」は別ものです。
後遺障害診断書の記載内容しだいで、後遺障害認定結果が左右されます。
主治医に、症状固定後に後遺障害診断書の作成を依頼しましょう。
後遺障害認定では、どんな症状が残ったのかという被害者の状況はもちろん、事故直後からこれまでの治療経過もみられます。
事故直後から通院している病院の主治医に作成を依頼してください。
なお、後遺障害診断書にも書式があります。
後遺障害診断書を作成してくれない場合があり、その主な理由として次のようなことが考えられるでしょう。
医師が書いてくれない理由
医師が後遺障害診断書の作成を拒否する例は多くありません。
しかし、もし後遺障害診断書の作成を拒否された場合には、その背景もさまざまだと覚えておきましょう。
医師に後遺障害診断書の作成を拒否された場合、被害者が取りえる方法は次の通りです。
被害者が取るべき対応
ただし、主治医以外の医師に後遺障害診断書を書いてもらうことは難しいです。なぜなら、後遺障害診断書は治療の経過を示すものであり、やはりこれまで治療にあたっていた主治医しか知りえない情報も多いからです。
医師とのコミュニケーションに不安がある場合は、弁護士が間に入ることで状況を変えられる可能性もあります。お気軽にご相談下さい。
後遺障害診断書には、被害者の症状が「後遺障害」であると伝わる書き方をしなくてはいけません。いいかえれば、後遺障害ではないということを示してはいけません。具体的には次のような記述については、後遺障害でないと示唆しかねません。
後遺障害は治る見込みがないものという前提があります。
後遺障害診断書に、将来的に治る可能性がある、改善の見込みがあると記載されれば、後遺障害認定の結果に影響しかねません。
また、主訴がコロコロと変わることも不適切とされます。後遺障害は受傷直後から一貫して症状が続き、懸命に治療しても完治しなかったものです。
症状の出方についても注意してください。晴れている日は症状が出ないけれど、雨の日には症状が強いというバラつきは、一貫した症状とはいえません。
後遺障害診断書の修正は可能ですが、すべての修正が認められるわけではありません。修正が必要な理由を明確にして、医師に修正を依頼しましょう。
ポイントとしては、修正することで後遺障害認定の確率が上がるかということです。この点は弁護士に確認することで、より適切なアドバイスを受けられます。
歯の欠損や喪失も、後遺障害認定される損害です。
今回の事故被害で損害をこう打った歯の本数に応じた後遺障害等級の目安があります。
書式は『自動車損害賠償責任保険 後遺障害診断書(歯科用)』にてダウンロード可能です。
ここまでのまとめ
後遺障害申請は何度でも可能です。想定していた後遺障害認定結果とならなかったときは異議申立書を提出すれば、再審査してもらえます。
異議申立書は、異議申立ての主旨と理由を必ず記載してください。
異議申立書の構成
ただし、異議申し立てをしても結果が変わらないことは多いです。
異議申し立てをするなら、次のような3つの観点をもっておきましょう。
まず、後遺障害申請内容に不備がなかったのかという確認をしましょう。
初回申請時にどんな資料を提出したのかを確認してください。
そのためには、後遺障害認定結果の通知(非該当の通知)に書かれている理由を読みましょう。そして、非該当と判断された理由を打ち消し、後遺障害認定されるために証明するべきことを明確にしてください。
次に、初回審査で提出し損じている資料がないかを確かめましょう。
「医師の意見書」や「検査結果」などの追加資料については、弁護士のアドバイスが有効です。
異議申立ての審査にかかる期間は、異議申立て後から2~3ヶ月程度とされています。
つまり、初回申請の審査で2ヶ月かかって、その内容に異議申立てをした場合、初回審査から4~5ヶ月ほどで異議申立て結果が出る流れです。最速の場合でもこれだけかかるので、書類の準備・手続き関係は手早く済ませることが重要になります。
ここまでのまとめ
むちうちで後遺障害認定を受けるには、6ヶ月以上の通院治療を経て症状固定となり、後遺障害申請をする必要があります。
むちうちの神経症状は、後遺障害12級13号または後遺障害14級9号に認定されうるものです。
後遺障害 | 基準 | 後遺障害慰謝料* |
---|---|---|
12級13号 | 局部に頑固な神経症状を残すもの | 290万円 |
14級9号 | 局部に神経症状を残すもの | 110万円 |
*後遺障害慰謝料の金額は弁護士が交渉する時の相場(弁護士基準)
このほか、むちうちは後遺障害等級認定されずに「非該当」と判断されることも珍しくありません。
後遺障害認定を受けるには、症状を客観的にみても明らかでないといけません。
たとえば、交通事故によって指を失ってしまった場合、「指がない」という状態は目に見えるものだから、写真を撮影すれば証明しやすいです。
しかし、むちうちの症状は外見からは分かりません。MRIやCTといった身体の内部の様子を画像検査で確かめたり、神経学的検査で身体の反応を見る必要があります。
後遺障害12級13号認定を受ける状態とは、MRIやCTでむちうち部の損傷が確認できるものです。
後遺障害14級9号認定を受ける症状は、画像検査では異常がないものの、神経学的検査で異常反応が見られた場合に認定される可能性が高まります。
画像検査や神経学的検査で異常が見つからなければ、後遺障害非該当と判断されるでしょう。後遺障害慰謝料・逸失利益といった補償は受けられない恐れが極めて高いです。
後遺障害 | 画像検査(MRI・CTなど) | 神経学的検査 |
---|---|---|
12級13号 | あり | あり |
14級9号 | なし | あり |
なし | なし | なし |
むちうちに関する詳しい慰謝料の相場については、関連記事『交通事故のむちうち慰謝料相場|正しい計算方法で納得いく金額』をお役立てください。
アトム法律事務所は、これまで多くの交通事故被害者のサポートをしてまいりました。後遺障害認定が適切に受けられないと、被害者は本来もらえるはずの補償を受けとることができません。
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ただ、対応できる弁護士の人数に限りはありますので、お返事には少し時間をいただく場合もあります。「相談したい」と思った時には出来るだけ早くLINEの「お友だち」登録をして、法律相談を始めませんか。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了