後遺障害等級4級の慰謝料(具体例)

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故の4級の後遺障害について、どのような種類の後遺障害であれば認めてもらえるのか、慰謝料をいくらもらえるのか調査してみました。

眼・耳・口の障害で4級になる場合は!?

4級の後遺障害と認めてもらえるのはどういう場合か教えてください!

たとえば、両耳が全く聞こえなくなった場合が4級に当たるよ。あとで眼・耳・口の障害について詳しく説明するね。

耳が聞こえなくなると、音楽も聴けなくなっちゃいますよね。慰謝料をたくさん請求したいです!

交通事故での4級の後遺障害の中でも、まずは眼・耳・口の後遺障害について教えてもらいました。

眼の障害については、両眼の矯正視力が0.06以下になったものが対象になるそうです。

耳の障害については、両耳の聴力を全く失った場合が当てはまるとのこと。聴力を失う基準は数値化されているようだから、認定基準で紹介しておきますね。

口の障害については、咀嚼機能と言語機能のいずれにも著しい障害を残す場合が4級に該当するそうです。

咀嚼障害は、お粥やそれに近い食べ物しか食べられない場合をいいます。

一方、言語障害は、口唇音・歯舌音・口蓋音・喉頭音の4音のうち、2音の発音が不能な場合か、綴音機能に障害がある場合を指すそうです。

綴音機能の障害とは、たとえば「事故」であればJ・I・K・Oの単音4つに分離できるけど、これらの複数の単音を同時に発音できないので、単語を発音できない障害をいうらしいです。

これらの後遺障害が残る場合には、その要件を満たしているかの形式審査で4級が認めてもらえるんですね。

(まとめ表)

概要

認定基準

眼の障害

両眼の視力が0.06以下になったもの 矯正後の視力を基準とする

口の障害

咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの ●咀嚼障害は、粥食またはこれに準じる程度の飲食物以外は摂取できないものをいう。

●言語障害は、4種の語音のうち2種の発音不能または綴音機能に障害があり、言語のみで意思疎通できないものをいう

耳の障害

両耳の聴力を全く失ったもの ●両耳の平均純音聴力レベル90dB以上のもの

●両耳の平均純音聴力レベルが80dB以上でかつ最高明瞭度が30%以下のもの

上肢・下肢の障害で4級になる場合は!?

眼・耳・口の障害は分かりましたけど、それ以外に4級の後遺障害はありますか?

4級では、あとは、腕・指・脚の後遺障害があるよ。たとえば一方の腕のひじ関節以上失った場合が4級に当たるね。

交通事故被害者は大変ですね。。しっかり保険会社から慰謝料を回収しましょう!

次に、上肢と下肢について4級の後遺障害を教えてもらいました。

上肢については、一方の腕をひじ関節以上で失った場合か、両手の指の機能を全部失った場合をいうみたいです。

下肢については、一方の脚をひざ関節以上で失ったもの、両足をリスフラン関節以上で失ったものが4級に当てはまるらしいです。リスフラン関節っていうのは、足の甲の中央付近にある関節のことを指します。

細かい認定基準が定められているみたいですが、専門医学的で分かりにくいので、表の中だけに紹介しておきます。

(まとめ表)

概要

認定基準

上肢・手指の障害

1上肢をひじ関節以上で失ったもの ●肩関節において肩甲骨と上腕骨を離断したもの

●肩関節とひじ関節との間において上肢を切断したもの

●ひじ関節において上腕骨と橈骨・尺骨を離断したもの

両手の手指の全部の用を廃したもの ●指の末節骨(第1関節までの骨)の長さの2分の1以上を失った

●指の第2関節または第3関節の可動域が2分の1以下に制限

●親指について、橈側回転と掌側外転のいずれかが2分の1以下に制限

●指の指腹部・側部の深部感覚と表在感覚が完全に脱失したもの

下肢の障害

1下肢をひざ関節以上で失ったもの ●股関節において寛骨と大腿骨を離断したもの

●股関節とひざ関節との間において切断したもの

●ひざ関節において大腿骨と脛骨・腓骨を離断したもの

両足をリスフラン関節以上で失ったもの ●足根骨において切断したもの

●リスフラン関節において中足骨と足根骨を離断したもの

4級の後遺障害慰謝料の相場は!?

4級の慰謝料の相場水準はどれくらいですか!?

4級の慰謝料の弁護士基準は1670万円だけど、保険会社の提示額はたった800万円のことが多いんだ。

半分以下ってどういうことですか!?

4級の後遺障害の慰謝料の相場はいくらなのでしょうか!?弁護士に依頼して保険会社と交渉するか、裁判を起こした場合は、弁護士基準という最も高い基準で1670万円の慰謝料を払ってもらえるようです。

一方、最低限度の補償をもらえる自賠責基準では712万円、保険会社が被害者本人に大幅に低い水準を提示することで有名な任意保険基準では800万円が相場みたいです。

要するに、被害者やその家族だけで保険会社と交渉しても、慰謝料だけでも約900万円近く低い水準の支払しか受けられないけれど、弁護士に依頼すれば慰謝料が大幅にアップするという大きなメリットがありますね。

これまでにアトム法律事務所が扱った事案における4級の解決実績については「4級の解決実績一覧」のページでご確認いただけます。

アトム法律事務所では、LINE相談であれば無料相談ができるし、人身事故被害者は無料で面談相談ができます。被害者の自動車保険に弁護士費用特約があれば、弁護士費用を保険会社に負担してもらえることが多いので、気軽に何でも相談してみるといいですね。

(まとめ表)

4級の後遺障害慰謝料

自賠責基準

712万円

任意保険基準

800万円

弁護士基準

1670万円

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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