交通事故慰謝料の
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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。
交通事故で怪我をすると、病院に通院して治療する必要があります。怪我の程度が重い場合は、通院期間も長引き、通院のためにかかる交通費もその分かかってしまいます。
交通事故による通院交通費は原則として加害者に請求可能です。今回は、加害者に請求することができる通院交通費を交通手段別に解説します。
目次
「通院交通費」とは、交通事故で受けた怪我の治療で病院に通院することを余儀なくされた場合、通院の際にかかる交通費のことをいいます。
一般的に、病院に通院する場合には、電車やバスなどが使われることが多いのではないでしょうか。交通費は、原則としてすべて加害者に請求することが可能です。
とはいえ、被害者が支払った交通費のすべてを加害者に請求できるとは限りません。
被害者が加害者に請求できる通院交通費は、あくまで被害者にとって必要な範囲といえる交通費でなければならないのです。
たとえば、電車やバスを使って通院することが可能であるにもかかわらず、タクシーを使ったり、高級ハイヤーを使ったりした場合には交通費の請求は認められない可能性が高いです。
電車やバス、モノレールなどの公共交通機関を使って通院した場合には、そのために支出した交通費を請求することができます。
電車やバスなどの公共交通機関を使って通院した場合には、原則として、支出した金額を全額請求することができます。
たとえば、バスと電車を使って30日間通院した場合、交通費が片道500円であったとすると、以下の金額を通院交通費として請求することが可能です。
(500円×2)×30日=30,000円
通院に新幹線を使った場合、新幹線も公共交通機関にあたるものの、そのすべてにおいて請求が認められるわけではありません。
交通事故による受傷で長時間座っていることが困難であった場合や交通事故による骨折で歩行することが困難であった場合に、新幹線に要した交通費の請求を認めた判例があります。
被害者に長時間にわたる移動が困難な症状がないかぎり、新幹線の運賃を通院交通費として請求することはむずかしい傾向にあるのです。
通院にかかったタクシー代を請求するためには、タクシーを使ったことにつき十分な理由が必要です。
たとえば、電車を使って通院できるにもかかわらず、単に楽をするためにタクシーを使った場合、タクシーを使う十分な理由があるとはいえません。
一方で、足の捻挫や骨折などにより歩行が困難な場合には十分な理由があると判断される可能性が高いです。
実際にタクシー代を請求する場合、領収書をすべてとっていれば、その全額が支払われる可能性はあります。
領収書を一部紛失している場合であっても、手元にある領収書から割り出したタクシー代の平均額に通院日数を乗じることで、タクシー代の総額を算出することが可能です。
通院に自家用車を使った場合、ガソリン代や駐車場代、高速代などの請求が可能です。
もっとも、無駄に高速を使ったり遠回りをしたような場合には、交通費として相当であるとはいえず、請求が認められない可能性もあるため注意が必要です。
このうち、駐車場代と高速代については、実際に支出した金額を全額請求することができます。
ガソリン代については、通院に消費したガソリンを正確に把握することはできないため、計算の目安が設けられています。多くの判例では、ガソリン代を15円/1kmとして計算しています。
たとえば、自宅から片道10km離れた病院に30日間通院した場合のガソリン代は、以下のような計算となります。
15円×(10km×2)×30日=9,000円
徒歩や自転車により通院をした場合には、交通費がかかっていないため、交通費を請求することができません。
しかし、自転車を使って通院した場合に、駐輪場代を支払っていればその分を通院交通費として請求することができます。この場合についても、駐輪場代の支出が通院するのに必要な支出だったといえることが必要です。
たとえば、病院からの帰り道にスーパーに立ち寄り、その際に支出した駐輪場代については認めなかった例もあります。
通院交通費を保険会社に請求する場合には、「通院交通費明細書」が必要です。
通院交通費明細書は、一般的に保険会社から送られてくるため、被害者側で用意する必要はありません。
通院交通費明細書に、通院日や医療機関名、通院の交通手段や支出額などを記入して、保険会社に提出します。交通手段が公共交通機関である場合、領収書は不要です。しかし、タクシーや駐車場などを利用した場合は、領収書も併せて提出する必要があるため注意が必要です。
記入内容や提出資料に不備がなければ、後日、保険会社から通院交通費が振り込まれます。
事故による怪我の程度が重いと、一人での通院が困難な場合もあり、家族に付き添ってもらうことがあります。
また、入院期間が長くなると、家族がお見舞いに来ることもあるでしょう。
このように、交通事故に起因して、他の家族が交通費を支出した場合には、原則として、その支払いも請求することができます。
もっとも、家族が付き添った場合には、付き添ったことに必要性が認められなければなりません。
また、お見舞いについては、その前提として本人の入院期間が数ヶ月に及んでいることが必要です。
これらの条件を満たしていれば、本人が請求する場合と同じように通院交通費明細書を提出することで、保険会社から交通費の支払いを受けられます。
電車やバスの代金は、特に問題なく支払われることが多いです。しかし、タクシーや高速道路などの代金は、その必要性をめぐって保険会社と揉めることがあります。
保険会社と揉めた場合、被害者本人が直接対応することは得策ではありません。
保険会社は交通事故に関する交渉に慣れているため、ご自身で対応すると不利な結果を招く可能性があります。
このような場合には、交通事故の実績がある弁護士に相談することで、保険会社との交渉を一任でき、通院交通費のほか慰謝料の請求などについてもアドバイスを受けることができるのです。
弁護士費用が心配だという人には、無料相談や弁護士費用特約の活用がおすすめです。
弁護士費用特約の関連記事
交通事故による通院交通費は、原則として、加害者側に請求することができます。
しかし、交通手段によっては請求が認められず、保険会社と揉める結果にもなりかねません。
特に、交通事故に関する問題は交渉相手が保険会社となることが多いため、知識や経験で劣る一個人が直接対応するには、難易度が高いです。
交通事故に遭った場合には、できるだけ早く弁護士に相談することをおすすめします。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了