後遺障害等級8級の慰謝料(具体例)

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新たに改正民法が施行されました。交通事故の損害賠償請求権に関するルールに変更があります。

交通事故で重傷を負い、後遺障害が残ったとき、8級に認定されるのはどういう場合なのか、慰謝料相場はどれくらいか調査結果をまとめてみました。

8級の後遺障害にはどういうものがあるの!?

先生、後遺障害8級にはどういう障害があるんですか?

8級の後遺障害には、目・背骨・腕・脚の障害があるね。8級は、他の等級と比べて、基準が明確といえるね。

覚えるのは大変そうですけど、全部教えてください!

交通事故の後遺障害で8級に該当するものを、弁護士さんに以下の表にまとめてもらいました。どの後遺障害も、被害者の労働能力が45%も失われることが想定されているらしいです。

以下の表の中には、脊柱障害について「運動障害」や「中等度の変形」、上肢と下肢について「偽関節」という抽象的な表現があり分かりずらいです。これらの用語については、より細かい基準があるようなので、詳しく教えてもらうことにしました。

<8級の後遺障害まとめ>

内容

眼の障害

1眼が失明し、または1眼の視力が0.02以下になったもの

脊柱の障害

脊柱に運動障害を残すもの
脊柱に中等度の変形を残すもの

上肢の障害

1手の親指を含み2の手指を失ったもの又は親指以外の3の手指を失ったもの
1手の親指を含む3の手指の用を廃したものまたは親指以外の4の手指の用を廃したもの
1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
1上肢に偽関節を残すもの

下肢の障害

1下肢を5cm以上短縮したもの
1下肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの
1下肢に偽関節を残すもの
1足の足指の全部を失ったもの

8級の脊柱障害の認定基準は!?

脊柱の運動障害とか変形って、どういう意味ですか!?偽関節とかの用語も、素人には理解できません!

たしかに、弁護士でも一部の交通事故の専門家以外は理解できていない人達が多いよ。あとで詳しく説明するね。

弁護士でも知らない人がいるんですか!?弁護士選びは慎重にしたほうがよさそうですね。

8級に当てはまる脊柱障害とは、要するに背骨の圧迫骨折に伴う背骨の変形運動障害のことらしいです。

背骨は、体全体を支える支持機能があると同時に、日常生活で動作をするときの運動機能にも重要な役割を担っているといえます。

脊柱障害で8級に認定されるための基準を以下の表に細かくまとめてもらいました。これらの基準に該当することを証明できれば、8級に認定してもらえるそうです。

<8級・脊柱障害の認定基準>

脊柱に運動障害を残すもの 頚部と胸腰部のいずれかの可動域が参考角度の2分の1以下 頸椎または胸腰椎に脊椎圧迫骨折等を残しており、そのことがX線写真等で確認できるもの
頸椎または胸腰椎に脊椎固定術が行われたもの
項背腰部軟部組織に明らかな器質的変化が認められるもの
頭蓋・上位頸椎間に著しい異常可動性が生じたもの
脊柱に中等度の変形を残すもの X線写真等により脊椎圧迫骨折等を確認できる 1個以上の前方椎体高が減少し、後弯が生じている
コブ法による側弯度が50度以上
環椎または軸椎の変形・固定により、60度以上の回旋位となるなど、一定の基準に該当するもの

偽関節の認定基準は!?

8級の後遺障害となる例の多い偽関節について、弁護士さんに詳しく教えてもらいました。

偽関節とは、骨折した骨同士が癒合(元通りにひっつくこと)せずに、症状が固定してしまう場合をいいます。

まず、上肢(腕)の場合、一方の腕について、肩関節から肘関節にかけて伸びる上腕骨の癒合不全、肘関節から手首にかけて伸びる2本の骨(橈骨・尺骨)の癒合不全があるとのことです。

下肢(脚)の場合、一方の脚について、骨盤から膝関節にかけて伸びる大腿骨の癒合不全、膝関節から足首に伸びて伸びる2本の骨(脛骨・腓骨)の癒合不全があるそうです。

それぞれ、癒合不全の状態はレントゲンやCTにより明らかな場合が多いので、特に後遺障害の認定段階で争いになることは少ないそうです。7級の偽関節との違いは、常に硬性補装具を必要とするか否かの点らしいです。

(まとめ表)

1上肢の偽関節 常に硬性補装具を必要としない 上腕骨の骨幹部等に癒合不全
橈骨及び尺骨の両方の骨幹部等に癒合不全
時々硬性補装具を必要とする 橈骨または尺骨のいずれかの骨幹部等に癒合不全
1下肢の偽関節 常に硬性補装具を必要としない 大腿骨の骨幹部等に癒合不全
脛骨及び腓骨の骨幹部等に癒合不全
脛骨の骨幹部等に癒合不全

8級の後遺障害慰謝料の相場は!?

8級の障害を負うと、それなりに慰謝料をもらわないと引き下がれないですよね!

8級の慰謝料相場は、830万円だけど、弁護士に依頼しなければその半分も回収できないことが多いよ。

!?てっきり、自力で交渉したほうが手取りが増えると思ってました!!

後遺障害の慰謝料は、事故により後遺障害を負い、日常生活や仕事に支障が出たことに対する精神的苦痛をお金で換算したものです。

弁護士を介して保険会社と交渉した場合に払ってもらえる水準である弁護士基準では、慰謝料額は830万円になります。一方、被害者本人だけで保険会社と交渉すると、半額以下の400万円となることが多いようです。

弁護士に依頼して交渉して始めて、慰謝料額が2倍以上に増額してもらえるということです。

では、どの弁護士でもいいのかというと、まずは気軽に法律相談できる法律事務所がいいでしょう。アトム法律事務所は、LINEを利用すれば、24時間365日、弁護士に質問を送ることができるようなので、お勧めです。

これまでにアトム法律事務所が扱った事案における8級の解決実績については「8級の解決実績一覧」のページでご確認いただけます。

8級の後遺障害慰謝料

自賠責基準

324万円

任意保険基準

400万円

弁護士基準

830万円

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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